本研究は、平成の大合併の際、比較的多くの旧自治体が一つにまとまった全国21市を対象とし、おおむね昭和の大合併から平成の大合併までの期間について、「選挙」を契機として見えてくる地域社会の変貌過程をたどるだけでなく、申請者が鳥取県で進めてきた地域政治の分析方法がこれらの地域社会にも応用できるのかどうかを検証した。その結果、地域社会の変化についてはおおむねどの自治体も史誌を編纂していることからその輪郭を描くことが可能であるものの、対象とした自治体の多くで選挙結果を継続的に残しておらず、戦後、地域のつながりが次第に弛緩していくという申請者の分析方法を応用することは難しいことが明らかになった。
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