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2013 年度 実績報告書

持続的な地域コミュニティを確立するための条件に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530639
研究機関首都大学東京

研究代表者

山下 祐介  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (90253369)

キーワードコミュニティ / 過疎 / 東日本大震災 / 福島第一原発事故
研究概要

「持続的な地域コミュニティを確立するための条件に関する社会学的研究」というテーマで行った本研究では、主たる研究領域を過疎問題に起きつつ、2011年3月11日に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を受けて、震災・原発事故で生じたコミュニティ災害の実態解明、さらにそこからの復興過程のなかでいかに持続的な地域コミュニティを確立しうるのかを多角的に検証した。
過疎問題に関しては青森県津軽地域を調査の中心にすえながら、岩手県、静岡県、山梨県、長野県を比較し、また東京都内では多摩ニュータウン郊外の近郊農村という過密地域の村落コミュニティをも比較対象とした。東日本大震災に関しては、福島県双葉郡富岡町を対象にした検討を3年にわたって行い、また津波被災地については、岩手県野田村、宮城県石巻市、気仙沼市なども調査し、原発被災地との比較を行った。
分析に際してはさらに、過疎問題/震災復興問題に関わる各自治体および政府各省庁の対応についても検証して、その政策内容と地域の実態、住民生活との関連性やズレについても考察を行った。
過疎問題については、現在生活している世代の中ではコミュニティは持続しているが、次世代継承の面からは厳しい現実が2010年問題として明確化しはじめていることを指摘した。さらに学校統合など、人口再生産を持続させる仕組みそのものが少子化を前に閾値を超えて解体しつつあることを指摘した。また原発事故被災地域では、コミュニティ崩壊が危険自治体へと転換する可能性も抽出され、津波被災地では復興防災事業がコミュニティを破壊するリスクを検討した。コミュニティの持続可能性の展開について、今後より入念な考察が必要である。
我が国のコミュニティ政策が大きな転換期にあることは明瞭であり、リスク時代のコミュニティ研究のあり方について過疎、原発事故、大津波災害に関する2014年時点での総括を行った。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 限界集落における尊厳ある暮らし――「都市部との暮らしの循環」の視点から2014

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 雑誌名

      社会福祉研究

      巻: 4月号、119号 ページ: 65―72

  • [雑誌論文] 「北のまほろば」論2014

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 雑誌名

      津軽学

      巻: 9 ページ: 56―67

  • [雑誌論文] 原発避難問題の忘却は何をもたらすのか――新たな「安全神話」とナショナリズムを問う2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 雑誌名

      世界

      巻: 4月号 ページ: 74-83

  • [雑誌論文] 「帰る」「帰らない」をめぐる住民と自治体 原発避難自治体の2年目2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 雑誌名

      住民行政の窓

      巻: 386 ページ: 2-14

  • [雑誌論文] 人口過疎地域は消えてなくなるべきなのか?~過疎高齢化・限界集落問題のゆくえと課題2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 雑誌名

      月刊福祉

      巻: 96巻第8号 ページ: 40―43

  • [雑誌論文] 津波被災地の社会的被害の分析と課題:岩手県野田村の事例から2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介・三上真史
    • 雑誌名

      地球環境

      巻: 18 ページ: 75―83

    • 査読あり
  • [学会発表] 原発避難をめぐる社会調査と研究者の役割―社会学広域避難研究会富岡班による研究活動―

    • 著者名/発表者名
      山下祐介・佐藤彰彦・山本薫子・高木竜輔
    • 学会等名
      地域社会学会
    • 発表場所
      立命館大学
  • [学会発表] 原発避難者対策の経緯と問題点~避難から3年目に入って~

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 学会等名
      環境社会学会
    • 発表場所
      桃山学院大学
  • [学会発表] ボランティア・市民活動をめぐる阪神と東日本 福島第一原発事故・避難者支援を問い直すことから

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 学会等名
      東北社会学会
    • 発表場所
      東北大学
  • [図書] 『被災自治体における住民の意思反映――東日本大震災の現地調査・多角的考察を通じて』2014

    • 著者名/発表者名
      日本都市センター編
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      日本都市センター
  • [図書] 東北発の震災論2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      筑摩書房
  • [図書] 人間なき復興2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介・市村高志・佐藤彰彦
    • 総ページ数
      333
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] 白神への道 目屋の古道 白神学第3巻2013

    • 著者名/発表者名
      山下祐介編
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      ブナの里白神公社

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公開日: 2015-05-28  

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