• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

戦後日本における家業経営の変容と展開に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530650
研究機関千葉大学

研究代表者

米村 千代  千葉大学, 文学部, 教授 (90262063)

キーワード「家」 / 家業 / 家族規範 / 家族意識
研究概要

24年度までと同様、引き続き、資料収集、分析を進めてきた。今年度は特に家族思想、家族法、歴史学などの隣接領域の知見について考察をした。「家」および家業経営の変容は、社会学的な視点からのみ捉えられてきたわけではない。このテーマについて学際的な視点から考察することが、本課題の重要な軸であった。
戦前、戦後を通した昭和期を対象として、本課題を追究するために必要な研究史のサーベイがある程度達成でき、議論の俎上が整理された。この時期の研究史をサーベイするという課題は、しかし1年で完了できるものではないため、次年度も引き続き作業を継続する。
敗戦期の家族変容を断絶的に捉えるという従来の視点には、すでに批判がなされてきたものの、一定の有効性もある。戦後の家族の民主化に関する議論や社会意識の興隆は看過できない。しかし、他方でそれ以前の社会を全く分断された別のものとしてのみ捉えることにも問題がある。大正から昭和初期にかけての政治的経済的変化や社会運動、社会意識の動向と家族規範の変容は重層的に関わりあっていた。
そこからの延長線上に戦後家族、家業経営を捉えることの重要性が改めて再認識された。特に農業経営を含めた家業経営については、とかく一面的に後進性、前近代性のみが指摘されがちであった。次年度以降はより細かな事例考察との接合をめざし、家族意識、家族規範の変容の考察を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

引き続き資料収集、分析を進めてきた。特に25年度は、「家」と家族にかかわる制度と規範の変容について、思想研究や家族法、歴史学などの隣接研究分野の知見をあわせて多角的に検討した。24年度に主に検討した地域研究、特に千葉の農業を対象とする研究との接合が次年度の課題となる。

今後の研究の推進方策

今年度は、24年度までに取り組んできたおもに千葉の農業を中心とする地域研究と、25年度に中心的に取り組んだ隣接領域を含めた家族に関する知見の検討について、それらを重ね合わせて、戦前戦後の家業経営をめぐる変化について研究を進めることを予定している。資料収集と分析は引き続き行う。そのため、資料収集、研究打ち合わせのための旅費、資料購入、資料整理のための費用を計上した研究計画を立てている。

次年度の研究費の使用計画

年度末(3月28日)に出張招聘を伴う研究打ち合わせを開催した。そのための予算を3月ぎりぎりまである程度余裕をもって確保しておく必要があった。結果として155,255円の次年度使用額が生じた。
次年度使用額については、出張費の確保のため抑制していた物品および資料購入費用に計上する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 岩波講座 日本の思想 第6巻2013

    • 著者名/発表者名
      苅部直、黒住真、佐藤弘夫、末木文美士編
    • 総ページ数
      305(115-142)
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] 研究道 学的探求の道案内2013

    • 著者名/発表者名
      須田木綿子、鎮目真人、西野理子他編
    • 総ページ数
      320(51-62)
    • 出版者
      東信堂

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi