ネットモニターを用いて、二段階の調査を行った。第一段階は20代及び30代についての調査。その分析の結果、世代・年齢に反応しそうな項目があることが分かり、第二段階の調査として比較対象として40代及び50代について同様の調査を行った。質問項目を、被説明変数(社会参加・政治参加に関する項目、寛容性に関する項目)と説明変数(基本的属性および集団参加に関わる項目)とに分けて、分析を行なった。その結果、 (1)集団参加に関わる項目(各種団体やボランティ活動への参加)および集団の形はとらないものの趣味友人とでもいうべき友人の存在が、社会参加・政治参加と正の関係を持つことが確認された。具体的にいうと、政治的な会話をする相手の数は、趣味友人がいる者、何らかの団体に所属している者、ボランティア活動をしている者において高くなっている。また高校や大学での部活経験もそのような会話相手数と正に関連している。政治的関心、政治的有効性感覚についても同様の傾向が見いだされた。 (2)また各種の政治参加・社会参加(署名、政治的消費、デモ、寄付・募金、投書、ネットでの政治討論参加、ネット日記での意見表明、シェア・RTによる意見表明)についても趣味友人、各種団体参加、ボランティア参加などが有意に正の関係を持つことが確認された。また最も基本的な政治参加行動と考えられる投票行動について投票権のあった者についてのみみてみると、これも趣味友人、各種団体参加、ボランティア参加との間に有意に正の関係が見いだされた。 (3)さらにそれらの活動の重要な基礎となる各種の制度への信頼もまた、趣味友人の有無、各種団体への参加(さらには参加団体数)、ボランティア参加との間に正の関係が見いだされた。
|