本研究では、都市部の団地に暮らす独居および夫婦のみ高齢者の社会的孤立状況と支援団体とのかかわりを明らかにし、支援する側と支援される側の双方の視点から、高齢者の社会的孤立問題への対応策を検討した。支援団体の活動拠点を利用する団地居住者へのインタビュー調査から、利用者は継続・頻回利用、一人暮らし女性が多い、活動拠点利用により人間関係ができ、広がったりするなどが明らかになった。その一方で、質問紙調査の結果から、支援団体の認知度は約8割と高いものの、活動拠点を利用したことがないという者が約4割もいた。これらの結果は団地居住の高齢者のニーズと支援団体の活動内容が必ずしも合っていないこと示唆していた。
|