特にグラフィティに焦点を当てて、「犯罪行為」として単に取り締まりの対象とみなすのではなく、表現の自由との関係に着目して、その意義を検討した。事例として、著名なグラフィティのアーティストであるバンクシーを取り上げ、彼が活動の拠点としてきた英国、ブリストルにおけるグラフィティが、地域の歴史や文化とどのように関わってきたのか、グラフィティを「ヴァンダリズム」とみなす行政や議会の動向を踏まえつつ、バンクシーに象徴されるグラフィティのポジティヴな可能性を探った。 グラフィティには世界各地に見出せる文化表現として、ある種の普遍性があり、この点もふまえて、所有権を優位に置かない表現の自由の再定義を試みた。
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