この研究はブルターニュ、アルザス、カタルーニャの3つの歴史的地域について、エスニックな関係がどのようにナショナリズムの規定を受けるかについて考えようとするものである。カタルーニャ、バスク、ガリシアなどを例とした先行研究の一部は、ナショナリズムを持つこのような歴史的地域は移民に対して敵意を発展させやすいと主張する。しかし調査によって明らかになったのは、マイノリティ地域への所属意識がすなわち外集団への敵意にリンクするものではないこと、また地域特有の右翼ポピュリズムが発達するかどうかは、国家のコンテキストやそれぞれの地域のコンテキストの規定を受ける、言説機会構造と深く関連する、ということだ。
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