本研究は高度情報化が進む現代日本社会において現れる大都市圏と地方との格差に社会学からアプローチする。これは技術の先端性を重視して情報化を一意的な過程と見る技術決定論的視点からでは捉えられない地域社会の多様性に関する問題を示すのであり、それは情報化の社会的な位相において捉える必要がある。まず地域社会内の制度・関係・行為などが変化する社会的過程として捉える視点を新たに示し、大分県での地域情報化事業と活動に関する事例調査を行った。そこから地域情報化において社会的な認識や制度のあり方が要件となっていることを示し、地域社会の特性に合わせた多様な情報化の可能性を探ることができた。
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