研究課題/領域番号 |
23530670
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
川内 規会 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (30315535)
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研究分担者 |
オガサワラ メリッサ 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (60457736)
山田 真司 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (00200741)
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キーワード | 医療通訳 / 在日外国人 / 使用言語 |
研究概要 |
24年度は本研究「医療通訳の現状と課題ー在日外国人の使用言語に係わる医療コミュニケーションの研究」の中間年度として、昨年度に実施した調査結果の分析と新しく次年度に向けて医療通訳者の養成研修の企画を手掛けた。 昨年度実施した3方向からの調査(医療通訳者対象、在日外国人対象、医療従事者対象)の中の、在日外国人対象の「医療現場のコミュニケーション」の調査から、医療現場の使用言語と外国人患者の不安、言語理解力などから考察された調査結果を抽出し、さらなるデータ分析を行った。特に「在日外国人が医療通訳のニーズを持つか」という基本的視点に戻り、対象者の母語と日本語能力、日本語能力と日本語学習期間、使用言語と医療用語の理解力などの関係性を分析した。その結果、日本語学習期間6か月から5年未満で、いわゆる日本語能力中級レベルといわれる外国人が、医療用語理解において不安定要素が多く含まれており、日本語による医療説明の理解には危険性が高いことを示した。そこから医療通訳のニーズ、医療現場の外国人患者の不安要因、医療者に対して望む言動とその限界、医療通訳への今後の期待などを明らかにした。情報保障の視点からあらためて医療通訳の必要性が示された。 また、在日外国人が比較的少ない地域においても、医療通訳の必要性を示すことができたことから、医療通訳者の養成機関がない地方都市で、医療通訳者の養成研修を実施するには、どんな条件が必要となるか新たに検討し企画を手掛け始めた。最終年度の実施案作成に向けて計画を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23-24年度で調査する予定の3方向からの調査も全て修了し、得られたデータをもとに24年度は調査結果のさらなる分析を行った。また、最終年度に向けて新しく医療通訳者養成講座の研修企画も取り組み始めた。今年度の目標は、ほぼ達成したと評価する。 詳細は、昨年度に実施した調査の中から、在日外国人対象の「医療現場のコミュニケーション」の調査結果を中心にデータ分析を行った。在日外国人が医療通訳のニーズを持つかという基本的視点に戻り、対象者の母語と日本語能力、日本語能力と日本語学習期間、使用言語と医療用語の理解力などの関係性を分析した。23ー24年度で予定していた調査は予定通り進んだため、24年度は調査結果の整理・分析に力を入れることができた。 また、得られた今年度の調査結果から国内の在日外国人が比較的少ない地方都市にも、医療通訳の必要性が示されたため、新たに医療通訳者の養成講座(研修)も企画し始めた。どんな条件が必要となるかを検討し、次年度の実施案へつなぎたい。また、条件が整えば実施したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査結果から、在日外国人が比較的少ない地方都市にも、医療通訳の必要性が示されたため、新たに医療通訳者の養成講座(研修)の企画を手掛け始めた。25年度の実施案へつなぎ、どんな条件が必要となるか検討を続けたい。条件が整えば可能な限り実施したい。 また、今までの研究結果を学会(海外学会を含む)で発表し、研究成果を論文として形作ることを目指している。最終的には本研究の3年間の総まとめとして、研究報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外の学会(国際大会)の研究発表を計画しているため、参加費や旅費が必要になる。また、次年度は医療通訳の養成研修を企画し、条件が整えば実施したいと考えているため、研修実施費用が発生する。 次年度の最後には、3年間の研究報告書を作成するため、印刷費が必要となる。
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