研究課題/領域番号 |
23530675
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
中島 正博 広島市立大学, 国際学部, 教授 (60264925)
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研究分担者 |
柳 幸典 広島市立大学, 芸術学部, 准教授 (30405493)
金谷 信子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (20509062)
高橋 広雅 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80352540)
瀋 俊毅 広島市立大学, 国際学部, 講師 (10432460)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 社会学 / 瀬戸内国際芸術祭 / 外発的インパクト / 過疎地域 / 内発的発展 |
研究概要 |
「大地の芸術祭」と「瀬戸内国際芸術祭」の先行研究を検討した。その結果は以下の3点にまとめられる。(1)芸術祭は地域に活気を与え、人びとの交流、地域づくり活動、などを活発にする効果を持つ。(2)芸術祭の開催は混雑やゴミ問題など負の効果を持つ。(3)二つの芸術祭の持つ効果には違いがある。(3)の理由は現時点では不明だが、違いの理由を探ることが、芸術祭が良い効果を上げる要因を特定する足がかりになると考えられる。また、2011年8月に研究代表者の中島は、瀬戸内芸術祭が開催された7島の内の4島を訪問し、住民からのヒアリング調査を実施した。このヒアリング調査と上述の先行研究の検討を踏まえ、芸術祭の正の効果を促進し、負の効果を抑制する要因に関する考察を行った。この考察は、過疎地域において持続可能で、文化的、社会的により良い効果を持つ芸術祭の実施に役立つと考えられる。さらにこの考察は、芸術祭にとどまらずより効果的なボランティアのあり方についても示唆を与えている。以上の成果は「過疎高齢化地域における瀬戸内国際芸術祭と地域づくり」として執筆し、『広島国際研究』第18巻(2012発行予定)に投稿済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の主な計画は、文献調査とヒアリング及び24年度に実施予定のアンケート調査の内容と実施計画の立案であった。文献調査とヒアリングについては、研究代表者の中島を中心に実施され論文としてまとめられ学会報告がなされた。またアンケート調査の内容と実施計画については研究分担者の瀋を中心に立案がすすめられ大体の準備を終えている。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は芸術祭の文化的、社会的、経済的インパクトを探るための大規模なアンケート調査を実施する。アンケートの内容、実施方法については、細かい点を除けば概ね準備が出来ている。ただしアンケート調査の実施地域を当初の研究計画から変更し、同じ瀬戸内海の百島(広島県)とした。同島では、研究分担者の柳が今現在アートプロジェクトを手がけている。このことから、調査実施の容易さに加えて同島でのアンケート調査は研究計画当初よりも長期的な視点に立った分析が可能であると判断した。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査の実施:質問項目調整のための現地訪問、アンケート質問票の作成、現地訪問、アンケート資料配布、回収、分析。学会発表現地事情調査
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