本研究は、日本と中国の市民的世界において、キーパーソンの交流と連携を促進することによって、「国家関係」に囚われない「市民関係」を築き上げていく可能性を実践によって模索する研究である。市民的世界の同業者同士の交流は「交流のための交流」ではなく、必要性に迫られ、且つ社会的ミッションや価値観に動機づけられた交流である。知識やノウハウだけではなく、ものの見方と対処する際の姿勢、求めたい理想など価値観や思考パターンに関わる深いやり取りでもある。とりわけ中国で自然学校運動を仕掛ける交流研修活動では、「仕事ぶりを見る」「作業を一緒に行う」「とことん話し合う」ことが効果を上げるポイントであった。
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