研究課題/領域番号 |
23530690
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
尾中 文哉 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90233569)
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研究分担者 |
大川 清丈 甲子園大学, 人文学部, 准教授 (80299057)
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20319213)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / 比較 / 試験 / ネットワーク / イギリス / フランス / タイ / 日本 |
研究概要 |
平成23年度の研究実績は以下の通りである。(1)日刊全国紙のデータベースを用いた共時的・通時的比較研究に関しては、『タイムズ』『朝日新聞』の1980年以前の9年おきの記事収集と分析、『サヤームラット』の1998年以前の9年おきの記事収集および『読売新聞』の90年代以降の記事収集と分析、『ル・モンド』の記事収集を行った。その結果、イギリスと日本に関しては「能力」観を含む制度としての試験について、断続的ながらも変化の概略について、ネットワーク概念も使って議論し比較することができ、タイとフランスに関してはその段階に至る準備をすることができた。(2)のイギリス・フランス訪問調査に関しては、9月6日~9月11日の6日間に実施し、研究者・財界人・政治家・大学人合計6名にインタヴューを行った。その結果、イギリスにおける「能力」観の分布の現状についてネットワーク概念も使って議論することができ、また、フランスの一つのグランゼコールが始めている試験制度の「能力」観について、一定の知見を得ることができた。また、タイ訪問調査については、8月8日~8月13日の7日間に実施し、新聞記事収集とともに研究者・地方行政官・教員など3名にインタヴューを行い、タイにおける「能力」観の分布の現状について予備的な知見を得ることができた。また、年度末には、日本女子大学西生田キャンパスで研究会を行い、上記研究成果の中間報告と、次年度の計画について相談することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まず、(1)の新聞記事の分析は、地域・研究者によりデータベースの構築が進展し分析に入れたところもあるが、地域・研究者によりデータベースの構築が十分できておらず、分析が進んでいないためである。次に、(2)海外訪問調査については、ほぼ予想通りにインタヴュー調査ができているが、地域・研究者により必ずしも進んでいないところがみられるためである。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度の研究推進方策であるが、(1)の新聞記事分析については、引き続き4地域の新聞について試験関連記事の収集と分析を行う。データベースの構築方法および記事収集の方法についてインストラクションや議論を行うことで、プロジェクト全体としての研究を進展させたい。(2)の海外訪問調査は、2011年度の成果をうけ、成果を上げたメンバーに参加者を絞り、かつ具体的に地域を絞り、かつより日数をかけて同様のインタヴュー調査を9月に実施することで、これまでの成果で得られた「能力」観のイメージをより深く探っていきたい。(3)の研究会に関しては、前年同様年度末研究会を行うとともに、年度途中研究会、Skypeによるインターネット会議を導入することでコミュニケーションを密にし研究を進展させたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、次の二つである。(1)一点目は、2011年度の海外出張調査と調査データ整備に関して予算を下回る額で計画が遂行できたので、余剰額を2012年度の海外出張の実施とデータ整備を補填することにまわしたためである。(2)二点目は、『Le monde』の購読に関して、3月分の支払が次年度に行わざるをえなかったため。この支払は、2012年度の購読とあわせて行う予定である。
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