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2013 年度 実績報告書

サブシステンス・エコノミーにおける無償労働の再編に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530699
研究機関長野大学

研究代表者

古田 睦美  長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (60278166)

キーワードサブシステンス / アンペイド / ジェンダー
研究概要

現在、サブシステンス労働の再編に関していくつかのタイプが存在している。本年度は、ヨーロッパの中で、都市型の特徴を示しているオランダ、農村型の特徴を示しているイタリア、国家政策によるサブシステンスの組織化という特異な歴史の上に、ヨーロッパの中でも別のタイプのサブシステンスの再編成がおこっているロシアにおいて、資料収集および調査活動をおこなった。また、日本国内では長野県調査を行った。
1990年代後半に、EUのモデルともよばれ、アンペイド・ワークとペイド・ワークの実態把握および再配分政策が進められたオランダでは、2010年の政権交替により当該の政策は減速することになった。しかし、アムステルダムの女性センターに女性政策専門員がおかれ、女性の進出と役職への登用率、親休暇の男性の取得率の増大、アンペイド・ワーク時間のジェンダー格差の減少など、ジェンダー平等に基づいたアンペイド・ワークの再編成が進展してきたと言える。
イタリアでは、ラッツィオ州、ウンブリア州等で農家調査を行った。女性の農業経営の支援、女性起業家の支援策もとられ、家族のための自給労働、統計の無い地域市場への出荷や産直、また、グリーン・ツーリズムの一環としての自給菜園や食文化の活用など、アンペイド・ワークの質的な側面に光を当てたサブシステンス経済の再編がみられた。モスクワでは、1990年代以降労働者によるダーチャの私的所有が進んだが、経済的な効果よりも生活の質や食文化の側面が重視される形でサブシステンスの再編成が進んでいた。日本においても田舎暮らしの価値や生活の質の向上をもとめて自給を重視する傾向のサブシステンスの再編がみられた。

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公開日: 2015-05-28  

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