研究課題/領域番号 |
23530703
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
粟谷 佳司 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90411115)
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研究分担者 |
福間 良明 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70380144)
長妻 三佐雄 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (80399047)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 新聞学 / 同志社大学 / 学生文化 / 輿論 / 政治学 / 鶴見俊輔 / 山本明 / 中島重 |
研究概要 |
本年度は、同志社大学における新聞学という学知の形成過程、展開に関して歴史社会学的な方法による分析を行った。研究代表者、研究分担者によって研究遂行のための研究会を2ヶ月に1回の割合で行い、各自の進捗状況について報告を行った。研究に関しては、今年度は資料収集に力を注ぎ、関係する資料を収集し、同志社大学社史資料センターで資料収集を行い、学生文化として同志社大学関係者である歌手の中川五郎氏へのインタビューも行った。研究代表者の粟谷は、1960年代から1970年ごろの同志社大学時代の鶴見俊輔の言説・思想を総合的に理解するために、鶴見の著作と彼の学外の活動である「思想の科学」「ベ平連」との関わりも視野に入れながら分析を行った。そして、鶴見の『限界芸術論』を中心とした文化論とその学生文化への影響を、同志社大学の関係者であり当時のフォークソング運動にも関わった中川五郎へのインタビューや、当時中川が関わった雑誌や音源、同志社大学出身者でフォークシンガーであった岡林信康、はしだのりひこやフォークソング運動関係の音源、映像、文献、資料などから検証を行った。研究分担者の福間は、1960年代から1980年代にかけて、マスコミ研究を進めた同志社大学の山本明の言説・思想について、彼の著作をもとに検討を行った。山本は、1960年代の新聞学ではともすれば低俗視されがちだったテレビに着目し、そこから現代風俗に関心を広げていった。「言論の自由」「弾圧への抵抗」といった戦後新聞学の規範に必ずしも閉じない山本の思考と、京都・関西での知的文化について考察した。研究分担者の長妻は、中島重の多元的国家論についての基本的な文献・資料を収集するとともに、その同志社における諸活動を調査した。思想面では、キリスト教と多元的国家論のかかわり、イギリス思想の受容についても検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的である同志社大学新聞学の形成過程と展開について研究はおおむね進展している。粟谷は、60年代に同志社大学新聞学の一翼を担った鶴見俊輔の業績と活動、当時の学生文化についての資料収集も順調に進んでおり、現在それらの資料・文献の分析を行っているところである。当時学生であった中川五郎へのインタビューも行った。福間は、山本明の言説・思想について、彼の著作をもとに検討を行い、山本と鶴見俊輔らの戦時期日本、戦前期日本に対する認識を検証した。そのうえでは、彼らの認識のみならず、戦後日本の文化人・知識人の認識との類似や差異についても考察を行った。長妻は、同志社大学新聞学以前の政治学思想を中心に考察を行うために、中島重の基本的な文献・資料を収集するとともに、粟谷とともに同志社大学社史資料センターで、戦前から戦後、同志社大学における新聞学形成における内部資料の閲覧、分析を行い、研究会において検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、同志社大学新聞学の形成過程と展開という研究の遂行のための基本的な資料、文献の収集を行い、戦前から戦後にかけての新聞学の総合的な理解の見取り図を作成する作業を行った。今後は、同志社大学新聞学の展開における、研究者の言説・思想の研究のための個別具体的な文献や資料の収集を行う。また、新聞学に関連する文献、資料の収集、検証を行っていく。新聞学に関わる政治学、思想史、学生文化、大衆文化研究に関する文献・資料から新聞学の形成と展開について分析を行う。そして、日本の新聞学の比較研究による同志社大学新聞学の位置についての研究を行うために、東京大学新聞学を始めとする東京の大学の新聞学研究や関西の大学における新聞学、メディア研究のネットワークを分析するための文献、資料の収集、そして、成果をまとめるための研究会の開催を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は研究費の一部を次年度に持ち越している。それは、次年度にも追加的な文献の収集や調査のための機器の購入計画があり、また研究分担者の福間が次年度前半に在外研究により集中的に研究を行うためである。次年度は、同志社大学新聞学の形成過程と展開、そして、日本の新聞学研究との比較のために、関西の大学や東京大学を中心とする新聞学研究に関するの文献と資料の収集、文献の購入、国会図書館や大学図書館などへ資料を収集するための出張、学会への発表も含めた参加のための費用、研究の資料の整理と分析に関わるデジタル機器の購入のための研究費使用を計画している。
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