研究概要 |
1、2011年8月、インドネシア・ロンボク島のKorIek地のLabuan Haji, Batuyang, Labuan Lombok,Aikmel村とKeruak地区のSukaraja,Pijot,Tanjung Luar Batu Namparv村における小学校各1校の最上級生とその母親を対象とするマラリア感染拡大と経済社会的貧困に関する社会疫学的調査を実施した。特に、マラリアに関する知識・関心・行動がどのような社会学的要因で規定されるか、さらに地域間比較や母子間比較、社会経済的地位の比較分析した。マラリア社会対策の基本的な情報を収集した。2、同年9月、ヌサ・チェンダナ大学医学部との共同研究として、ティモール島とパンタール島におけるマラリア・コントロールプログラムの予備調査を実施。同地域のマラリアに関する基礎データの収集。2012年度にマラリア制圧プログラムを予定する感染率が極めて高率なWetar島の社会疫学調査の可能性ついて議論した。3、2011年10月,ベトナム政府及び国連主催 International Forum on Agricultural and Rural Development, Hanoi, 9-10 November 2011に招聘され、同会議において、(1)Rethinking Rural Out-Migration: Japanese Experiences and Lessons for Vietnum New Rural Policy(2)Malaria Eradication and Community Empowerment: Lessons from an International Collaboration on Malaria Control Program between Japan and Indonesiaの論文発表した。
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今後の研究の推進方策 |
【1】マラリア制圧のためのプログラムに沿って、8月9月にインドネシア・ロンボク島とティモール島とWetar島において、マラリア社会疫学調査を実施する。ロンボク島では追跡調査によって、データ処理の結果を追証する。本年度は、2006年にマラリア社会疫学調査を実施したクロワル地区スコトン村において、観光による経済開発がマラリア制圧に及ぼす効果について追証調査を実施する。【2】ティモール島周辺のマラリア感染地域として、Rote島でのマラリアに関する基礎データの収集と社会経済調査を実施する。Wetar島については、マラリア対策を慎重に検討することで、可能な限りマラリア社会疫学に関する本調査を実施する。その際、マタラム大学とヌサ・チェンダナ大学医学部との間で、マラリア専門員の募集と研修体制について、学術交流協定の締結を目指す。【3】昨年度予備調査を実施したアロール島とパンタール島でのマラリア社会疫学調査実施の可能性を検討する。これは、Wetar島とRote島での調査が困難となった場合の代替案を確保するためである。【4】過去5年間のマラリア社会疫学調査(CBDESS)をアーカイブ化する。さらに時系列、地域横断、社会学要因別にデータ集計し、それを基に、マラリア感染拡大と社会学的要因の因果律を統計的に明らかにする。【5】2012年8月にWorld Forum of Sociology, Aug.1-4, Buenos Airesにおいて、論文発表を行う予定である。
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