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2011 年度 実施状況報告書

芸術宗教と音楽の公共性に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530706
研究機関立命館大学

研究代表者

宮本 直美  立命館大学, 文学部, 准教授 (40401161)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード音楽社会学 / キャノン
研究概要

平成23年度9月よりイギリスのケンブリッジ大学音楽学部にて調査および研究を進めている。同大学図書館と大英図書館、さらにドイツの都市史資料を利用して、19世紀の音楽雑誌(ドイツ語圏・英語圏)から、当時のコンサート活動と音楽観を調査した。この調査は現在も継続中であるが、音楽雑誌を幅広く調べることによって、従来の音楽史にあるような「コンサート」の形態が実際に行われていた多様なコンサート形態を反映していなかったことが分かる。「クラシックのコンサート」とはその中の一形態でしかなく、それにもかかわらず、後世にはそれが中心的位置を占めるようになる過程について、今後さらに検証を続ける必要がある。そこでは本研究の仮説でもあるドイツの器楽観と文化的なナショナル・アイデンティティの要素が一定の役割を果たすことになる。この点についても現在、資料を収集中である。ケンブリッジ大学においては、特に19世紀の音楽生活に詳しいN.クック教授とB.ウォールトン博士とも意見交換を行い、これまで本研究の直接の対象とはしてこなかったフランスの状況をも視野に入れる機会を得た。このような調査に基づくコンサート形態については、まずその一部を英語論文として発表する予定であり、上記研究者との意見交換を重ねてその準備を進めている。さらに、同大学音楽学部でのコロキウムに毎週参加することにより、現在欧米で行われている音楽研究の最新の成果に触れることができ、それは本研究の問題をより幅広い関心の中で捉えなおすことにもつながっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、まずは19世紀のコンサート全般を調査する必要があり、その調査は予定通り進んでいる。また、その中で本研究のテーマである宗教性の諸側面も徐々に明らかにしつつある。コンサートの持つ意味については、その成果の一部を英語論文にまとめる予定を立てており、昨年度末までに第一稿は完成させ、現在は他の研究者との意見交換を始めている最中である。また、研究の副産物的な成果として、舞台上のパフォーマンスの問題についてもまとめる予定でおり、本年9月に行われる国際学会へのプロポーザルが受理されたという結果を3月中旬に得ている。

今後の研究の推進方策

平成24年度は9月までの在外研究期間中に資料調査を進め、その間に必要に応じてイギリス、ドイツの資料館・コンサート会場の調査を行う。集めた資料を検討する中で、あらためて収集する必要のある資料が出てくる可能性が大きいが、その場合は大幅変更のない範囲内で調査出張を加える。同時に成果の一部の発表に向けて具体的な準備を進める。特に英語論文と国際学会発表を重視するが、本年度後半には日本語での成果発表の準備も進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

19世紀ヨーロッパの音楽界と社会についての資料が必要なことから、資料収集のための出張と文献購入、複写費などが重要な部分を占めることになる。また、英語論文や英語での口頭発表の予定があることから、英文校閲の支出も考慮しなければならない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 日本における音楽祭の変遷とオーセンティシティ2011

    • 著者名/発表者名
      宮本直美
    • 雑誌名

      社会学評論

      巻: 62号3巻 ページ: 375-391

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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