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2012 年度 実施状況報告書

地域社会の主体形成と活性化にかかわる情報環境の整備

研究課題

研究課題/領域番号 23530710
研究機関関西大学

研究代表者

吉岡 至  関西大学, 社会学部, 教授 (20248793)

研究分担者 黒田 勇  関西大学, 社会学部, 教授 (90186544)
富田 英典  関西大学, 社会学部, 教授 (50221437)
深井 麗雄  関西大学, 政策創造学部, 教授 (80454594)
森津 千尋  宮崎公立大学, 人文学部, 助教 (00510207)
キーワード地域社会 / 情報環境 / コミュニケーション / メディア
研究概要

本研究は、主として社会学や政治学の視点から、地域社会の情報環境の変容が地域住民の参加意識、地域社会の活性化、および地方自治の主体形成にどのような影響をもたらしつつあるのかを明らかにしていくことを目的としている。
より具体的には、既存のマス・メディアである地方新聞や地域放送局が地域住民の文化、経済、政治などの諸活動に対して果たしてきた役割と、新たな情報メディアであるインターネットやモバイルメディアの普及にともなう既存メディアの役割の変化を検討し、ネットワーク化・グローバル化が進展するなかでの、地域住民にとっての地域メディアの位置づけと、地域社会に必要とされる情報環境の整備のあり方を提示していくことである。
平成24年度は、前年度から実施した地域メディアの活動実態を把握するための資料収集や訪問調査の継続に加えて、ローカルジャーナリズムの報道実践、地域振興に向けた地域メディアの取り組み、モバイルメディアの地域的利活用、地域住民のメディア利用意識などに関する調査研究を、国内のいくつかの地域(北海道、東北三県、長野県、近畿圏、宮崎県、沖縄県など)で実施した。さらに今年度は、東アジアの調査対象国・韓国における地域メディアの活動と役割を検討するために現地調査を実施した。
これらの調査を通じて、地方や地域を再生し、活気のあるコミュニティを作り上げるメディアの役割や、これからの地域社会と地域メディアの相互作用の在り方について検討を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、地域の情報環境の実態と地域メディアの役割を検討するために、①先行研究・文献調査、②現地視察・聞き取り調査、③メッセージ内容の分析、④メディア利用の調査などを実施する予定にしている。
前年度平成23年度においては、①「地域社会」と「メディア」に関する先行研究・文献調査、②東北地区や九州・沖縄地区を中心とした現地視察・聞き取り調査、③メディアのメッセージ内容の分析などについては、一部で所期の目的を達成できた。
今年度平成24年度においては、具体的な調査対象地域だけでなく、全国的な地域メディアの動向や新たなメディアの展開を視野に入れて各々の調査を実施することで、住民に必要な地域情報がどのように提供されているか、また、地域メディアが地元の政治・経済・文化とどうかかわっているのか、についてさらに考察を進めていくことができた。
なお、今年度に計画していた④メディア利用の調査については、一部の実施(長野県の地域紙の読者調査)にとどまった。次年度には、「地域情報」を軸に全体的な調査設計を再検討し、さらにメディア利用の調査を行う予定である。

今後の研究の推進方策

研究全体の統括は研究代表者(吉岡至)が行うが、地域社会の現状把握、地域メディアの役割、地域メディアの内容分析、メディア利用の調査などの個々の調査研究は、それぞれの専門性を活かし、研究分担者(黒田勇、富田英典、深井麗雄、森津千尋)と研究協力者(市村元:関西大学客員教授、「地方の時代」映像祭プロデューサー)が引き続き共同で実施する。
今後は、平成23年度・平成24年度に得られた成果をふまえ、地域メディアのあり方を検討するための事例分析、地域メディアのメッセージ内容の分析、メディア利用の質問紙調査などを実施し、地域メディアの位置づけや地域住民の意識などをさらに考察していく。
最終的には、地域社会に求められる「情報環境の整備とメディアの役割」に関して、各研究者の研究成果をとりまとめ、その成果を発表する研究会・シンポジウム等の開催を予定している。

次年度の研究費の使用計画

以下の調査研究を実施するために研究費を使用する予定である。
次年度平成25年度においても、地域の情報環境の実態と地域メディアの役割を検討するために、さらに①文献調査、②訪問調査、③メッセージ内容の分析、④メディア利用の調査などを継続していく。
まず、①文献調査では、おもに「地域社会の変容」と「地域情報化」に関する資料・統計を収集する。また、②訪問調査では、国内の調査対象地域と東アジアの韓国を中心に現地調査を実施する。
さらに、③メッセージ内容の分析と④メディア利用の調査では、メディア関係者や有識者・利用者へのインタビュー調査・質問紙調査などをさら実施し、メディアからの地域情報の提供と地域住民の地域情報の利用の関係を検討していく。なお、今年度に未使用の研究費はおもにこの分析・調査に充てる予定である。
次年度には、これまでの調査研究の成果の発表をふまえて、総括的な報告書を作成する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 「世界陸上・大阪」と地域メディア2013

    • 著者名/発表者名
      黒田勇
    • 雑誌名

      関西大学経済・政治研究所 セミナー年報

      巻: 2012 ページ: 1-24頁

  • [雑誌論文] モバイルARと「セカンドオフライン」2013

    • 著者名/発表者名
      富田英典
    • 雑誌名

      関西大学経済・政治研究所 セミナー年報

      巻: 2012 ページ: 25-35頁

  • [雑誌論文] 長野県の地域紙から見えたメディアの課題と可能性――信州・市民新聞グループの特異性と普遍性2013

    • 著者名/発表者名
      深井麗雄
    • 雑誌名

      政策創造研究

      巻: 第6号 ページ: 151-186頁

  • [学会発表] 拡大するモバイルARサービスの現状と可能性:地図アプリを用いたモバイルAR技術の成功例『ちずぶらり』(ATR Creative)2012

    • 著者名/発表者名
      富田英典
    • 学会等名
      情報通信学会2012年度第3回モバイルコミュニケーション研究会
    • 発表場所
      関西学院大学大阪梅田
    • 年月日
      20120907-20120907
  • [学会発表] セカンド・オフライン―モバイルARと新しい移動感覚に関する研究―2012

    • 著者名/発表者名
      富田英典
    • 学会等名
      情報通信学会第29回大会
    • 発表場所
      国際教養大学
    • 年月日
      20120624-20120624
  • [学会発表] メディアが描く新婚旅行―1960年代~1970年代の宮崎新婚旅行ブームを事例に―2012

    • 著者名/発表者名
      森津千尋
    • 学会等名
      日本マス・コミュニケーション学会・2012年度春季研究発表会・研究発表
    • 発表場所
      宮崎公立大学
    • 年月日
      20120602-20120602

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公開日: 2014-07-24  

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