「観光立県」を掲げ、年間700万人の観光客が訪れる沖縄での、観光開発と環境保全の問題は、離島県でもある沖縄県の大きな社会問題となっている。慶良間諸島(座間味村と渡嘉敷村)で行われているエコツーリズムの実践(ダイビング観光)と、その観光資源であるサンゴ礁の保全問題に焦点を当て、その問題に取り組む行政、業者、地域住民について、調査を行った。方法は、文献・資料研究、参与観察、インタビュー調査等である。 明らかになったのは、行政主導のやり方が、調査地の観光とサンゴ保全の実態と、齟齬を来している現状であった。地域の実態にそぐわない行政主導の観光行政は、当該地域に混乱と根深い対立を残す結果となった。
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