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2012 年度 実施状況報告書

「ケアの連続体」の形成の視点に基づく高齢者ケア・サービス体系の国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 23530720
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

平岡 公一  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (10181140)

キーワード国際情報交換 / アメリカ:イギリス:フランス:スウェーデン / ケアの連続体 / 高齢者ケア / 国際比較 / 入所施設の住宅化 / コミュニティケア
研究概要

本研究の目的は、アメリカ、フランス、スウェーデン、イギリス、日本の5カ国を対象とし、「ケアの連続体」の形成という観点を基礎におきつつ、「入所施設の住宅化」と「多様な居住の場と中間的な性格のサービスの整備」に向けての高齢者ケアのサービス体系の変容の過程と、市場化・個別化・重点化等の制度改革がそこに及ぼした影響についての比較分析を行うことである。
平成23年度における先行研究の検討と各国の基礎的な政府資料等の収集を踏まえ、平成24年度においては、イギリスでの資料収集、国際学会での研究動向の把握、日本、イギリス、フランスを中心とする各国の制度改革と政策展開の検討を進め、日本の制度改革と政策展開についての研究成果を、国際学会において報告した。
今年度の研究から明らかになった点は、①イギリスのニューレイバー期の政策展開に典型的に示されるように、サービス体系の再編の動きは、政府間関係の再編、市場化や業績管理といった新たな政策手段の活用と密接に関連して展開される傾向があること、②入所施設の住宅化や、多様な居住の場と中間的な性格のサービスの整備にあたっては、低所得高齢者対策が重要な意味をもつが、日本に関しては、その点の体系的な検討が遅れていること、③高齢者の閉じこもり・孤立の問題から、医療的対応が必要な高齢者の在宅ケアの問題までを含めて、要介護度とは違ったfrailty(虚弱性)等の新たな観点からサービス体系を見直していく必要があること等であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

全体に、当初に設定した「研究実施計画」に沿って研究は進展しているが、平成23年度における取り組みの遅れの影響もあって、フランス、スウェーデンの現地調査がまだ実施できていないなど、研究の進行に若干の遅れが生じている。予定された研究期間のうちに、「研究の目的」が達成できるよう平成25年度においては、残された課題について集中的に研究を実施することを予定している。

今後の研究の推進方策

最終年度である平成25年度においては、次のとおり研究を推進することを計画している。
1.イギリスでの現地調査の継続に加え、平成24年度に実施できなかったフランスとスウェーデンでの現地調査を実施する。
2.日本に加え、イギリス、アメリカ、フランス、スウェーデンの各国について、収集した文献、資料の分析を引き続き進める。分析にあたっては、高齢者ケアのサービス体系の変容の過程とともに、政府間関係の再編、市場化・個別化・重点化等の社会サービス分野の制度改革、市場化や業績管理といった新たな政策手段の活用、低所得高齢者対策の展開にも注目する。
3.日本国内については、地域レベルのケーススタディを、現地でのヒアリングと資料収集を含めて実施する。
4.研究成果を、25年6月に韓国で開催される国際老年学会第20回大会(20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics)、および11月に韓国で開催される学術集会で報告する。また、研究成果をまとめた学術論文を執筆し、国内の学術誌に投稿する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が663,967円となっているが、これは、主に、平成23年度の研究の進展の遅れの影響で、当初予定していたフランス、スウェーデンの現地調査が、年度内に実施できず、平成25年度に実施することとしたためである。この未使用分の経費については、25年度中に実施予定のフランス、スウェーデンでの現地調査のための調査旅費にあてることを計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 日本における社会福祉制度改革と新しい社会的リスク2012

    • 著者名/発表者名
      平岡公一
    • 学会等名
      第8回社会保障国際論壇(The 8th International Conference on Social Security)
    • 発表場所
      アパホテル&リゾート東京ベイ幕張
    • 年月日
      20120908-20120909
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会政策におけるプログラム評価―その意義と、政策評価との関連の再検討―2012

    • 著者名/発表者名
      平岡公一
    • 学会等名
      社会政策学会第124回大会
    • 発表場所
      駒澤大学
    • 年月日
      20120526-20120527
  • [学会発表] 普遍主義をめぐる論議と政策展開--日本の場合

    • 著者名/発表者名
      平岡公一
    • 学会等名
      社会政策関連学会協議会「日韓両国における普遍主義論争」研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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