本研究では、アメリカ、フランス、スウェーデン、イギリス、日本の5カ国を対象として、「ケアの連続体」の形成という観点を基礎におきつつ、「入所施設の住宅化」と「多様な居住の場と中間的なサービスの整備」に向けての高齢者ケアのサービス体系の変容と、市場化・分権化・個別化等の制度改革がそこに及ぼした影響に着目して比較分析を行った。分析の結果、各国における政策展開と制度改革には、統合化メカニズムの導入への取り組み、支援付き住宅の整備、NPM的手法の導入とサービスの質の確保策の実施等の点での共通性がみられるものの、全体的に経路依存的であって、各国ごとの特徴、独自性が認められた。
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