研究実績の概要 |
本研究では東アジアにおける国際関係と日本の医療保険制度の歴史展開を包括的にとらえながら、その関連性を分析することに主眼をおいていた。3年間の研究の成果の一つとして、以下の研究書の編著を行った。Yoneyuki Sugita, “Symbiotic Relationship between Japan’s Status in the World and Changes in the Nature of Medical Insurance from the 1920s to the Early 1940s,” in Yoneyuki Sugita ed., _Japan Viewed from Interdisciplinary Perspectives: History and Prospect_ (Lanham, MD: Lexington Books, forthcoming). この研究を基礎にして、現在、学術論文および研究書の刊行を模索中である。また、理論面では、国際関係と福祉国家研究の融合を目指していたが、1920年代から1950年代の日本医療保険制度の展開とワシントン体制から朝鮮戦争までの国際関係を統合的にとらえることによって新たなアプローチが可能であることを示したことに本研究の意義が認められる。今後さらに、この融合分野の分析を実証研究で進めることによってさらに深い考察ができることが期待される。
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