本研究では、介護職のケア現場に焦点を当てて、チーム介護の規範と実態のギャップを明らかにすることを目的とした。ケア職と管理職を対象としたインタビュー調査とフィールドワークから得られた質的データを分析した結果、次の知見が示された。第1に、チーム介護には、介護職の専門性のみならず、実際には‘職人性’が発揮されていた。第2に、チーム介護が継続的に展開されるには、特養という組織のトップマネジメントに裏打ちされたミドルマネジメントが機能していた。マネジメントとガバナンスの観点から、特養の内部における特養経営のほかに、外部におけるガバナンス機能にも着眼していくことが今後の課題として残された。
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