研究課題/領域番号 |
23530741
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
原田 直樹 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (80598376)
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キーワード | 不登校 / 発達障害 / 社会的自立 |
研究概要 |
本研究においては、全国の高校における学習面・行動面の困難を抱える不登校生徒についての実態、及び学校内における支援がどのようになされているかについて調査実施を予定していたが、研究協力者らのアドバイスから、実態調査だけではなく、支援ツールの開発を視野に入れた、早期発見のためのチェックリストの作成が重要であるとの考えに至った。 平成25年度は、インタビュー調査により不登校生徒のうち発達障害の恐れがある生徒の特性を抽出し、(1)対象校における不登校対応及び特別支援教育推進の体制、(2)当該生徒の入学時における中高との連携、(3)当該生徒の入学後のアセスメント体制、(4)校内協働の仕組みづくり、(5)卒後を意識したキャリア支援の体制とその内容、(6)不登校生徒のうち発達障害が懸念されるチェックポイントの6つの柱について質問紙に再構成し、全国調査を実施する予定であった。 しかし、(6)のチェックリストにおいて、倫理上配慮が必要と考えられる項目があることを研究協力者から指摘され、また特別支援教育に携わる関係者のアドバイスの下、再度検討を要すると判断したことから、これを再度検討した。 また、この検討に時間を要したため、調査時機を逸してしまい、全国調査は平成26年度に実施することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全国の高校における学習面・行動面の困難を抱える不登校生徒についての実態、及び学校内における支援と早期発見のためのチェックリスト開発を目的とした調査実施を予定していたが、この調査ができていない。 これは、チェックリストの項目に、倫理的に慎重に検討すべき項目が含まれていることを研究協力者らから指摘されたことによる。 また、1年間の研究期間の延長をしたことからも「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、再検討したチェックリスト項目を盛り込んだ質問紙をもとに、全国13ブロックから各30校ずつの計390校を選定し、調査を実施する。 得られた調査データを分析し、発達障害が懸念される学習面・行動面の困難を抱える生徒について実態を明らかにし、当該生徒の入学時、在学中における気づき、生徒の卒業に向けてのそれぞれの時期に必要とされる具体的支援の内容について明らかにする。また、得られたデータを元に、支援ツールのうち最も重要となるチェックリストを開発する。 さらに、近隣の協力高校でチェックリストの試験運用を実施する。使用の簡便性や項目等について高校教員に事後評価をしてもらい、その評価結果を分析し、より効果的で活用しやすい支援ツールを検討、報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
全国調査を26年度に実施することに計画を変更したことから、調査紙の印刷製本費、発送及び回収にかかる封筒の購入費、通信費等の費用が残額として発生した。 平成26年度は上記費用を必要とし、さらに得られた調査データのとりまとめのため、データ入力にかかる費用、データの管理のための記憶媒体の購入費を要する。 また、分析に際して、打ち合わせにかかる旅費及び通信費、支援ツールのプロタイプ作成に必要な情報を収集するための記録用ビデオカメラの購入費として使用する。さらにツールのプロトタイプを簡易製本するため、簡易製本機及び製本カバーの購入費、テスト運用の謝金、介入にかかる旅費を必要とする。 また、この成果を学会において発表し、学会誌へ論文を投稿するため、関連図書の購入費、成果発表にかかる旅費、論文投稿にかかる費用を要し、研究の総括報告書を作成するため、その印刷製本費を計上している。
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