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2011 年度 実施状況報告書

精神障害者の就労支援予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530743
研究機関東北文化学園大学

研究代表者

森谷 就慶  東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (80382696)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード精神障害 / 就労支援 / 国際生活機能分類 / 追跡調査
研究概要

本研究は、国際生活機能分類(ICF;International Classification of Functioning, Disability and Health)に着目し、精神障害者の精神症状および生活技能を簡便に測定でき、就労支援の可能性を予測できる「就労支援アセスメントツール」を開発して、追跡調査から、就労に必要な能力とその支援量を明らかにし、今後の科学的かつ合理的な就労支援について検討することを目的とする。 具体的には、1)精神障害者の精神症状と生活技能から就労可能性を予測できる「就労支援アセスメントツール」の開発、2)退院から就労までの経過の実態把握、3)就労の有無に影響を与える要因の解明、4)実証データに基づく科学的かつ合理的な就労支援の検討の4つの視点から検討を行う。 本研究は、精神障害者の退院後から経過を追跡調査し、就労に必要な能力とその支援の関係性を明らかにして、就労支援の適正化を検討するものであり、精神障害者の就労支援の質的向上に直ちに寄与するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

【現在までの達成度】 800 本年度は、精神障害者の生活技能評価及び就労支援における評価に関して、予備調査におけるデータの解析を中心に、医療及び福祉領域における既存の知見と比較検討を行い、得られたデータから、就労支援における評価として妥当な指標の抽出、調査項目の選定を行った。さらに、研究協力可能な施設(病院・クリニックの精神科デイケア、障害福祉サービス事業所等)を募り、調査協力への内諾を得、各施設の倫理委員会審査承認後に調査を実施する準備を整えた。 現在迄の調査結果から、医療・福祉系サービスの施設属性を問わず就労を希望する利用者が、より就労に近いサービスへ移行していることが結果として明らかになっている。さらに、国際生活機能分類;ICFの「心身機能」と「活動と参加」の構成要素から症状や生活技能の変化に着目した支援量のスケールでは、精神科デイケアや障害福祉サービス事業所の利用の開始時において、「重度の困難;(常時介入を必要とするもの)」が含まれた者はおらず、それは終了時においても同様であった。課題項目別では『動機付け』『注意の維持』『注意の移動』については支援量の減少がみられ、全員が「自立」・「見守り」の評定であった。サービス終了時に他の支援量(診察の頻度、他サービス機関の利用時間)に大きな変化はなく、症状が安定していたと考えられた。 東日本大震災の影響による協力機関への負担を考慮し、調査実施が遅れているが、今後は、現在フォローアップ中の対象者の追加データをもとに、実証データに基づく科学的かつ合理的な精神障害者の就労支援の特徴を描く予定である。

今後の研究の推進方策

予備調査、並びに平成23年度に得られた結果を基に、利用者のサービス開始時とサービス終了時(前向きコホート)の能力の比較を行い、(1)就労支援ステージの分類とそのステージにあったサービス供給量の予測、(2)就労予測(目標、時間)の提示について得られたデータの解析を行う。 対象施設については、電話もしくは訪問による調査依頼を引き続き行い、包括同意が得られた施設に対し調査を広げて実施する予定である。さらに、就労した者や施設終了後の利用者の同意が得られれば、就労継続の期間についても調査依頼を行う。その際、調査票の回答者は、当該施設の就労支援担当者(精神保健福祉士、サービス管理責任者)を想定しているが、可能であれば通院をしている外来看護師に依頼を行い、フォローアップする。 回収した調査票については、随時電子化し調査に遅滞なきよう分析を行う。東日本大震災の影響による協力機関への負担を最小限に留める工夫を常に念頭に置きながら、調査の運営・管理については万全に配慮をし遂行にあたる。

次年度の研究費の使用計画

前年度の予算によって調査を開始する物品等の購入は既に完了しており、次年度は主として調査を遂行するのに必要な消耗品や、調査協力の謝金等の支出を予定している。 設備備品としては、今後出版刊行される精神科リハビリテーション、障害者職業リハビリテーション関連の図書購入を予定している。また、消耗品としては、データ解析に関するソフト、およびプリンタ用トナー、CP用紙、記録媒体等の購入がある。国内旅費は、調査に関し、協力機関への依頼、打ち合わせ及び進行に関する打ち合わせを予定している。研究成果については、第11回日本精神保健福祉士学会学術集会、並びに第50回日本医療・病院管理学会学術総会において口頭発表を予定している。その他、調査協力者、研究について協力助言を頂いた方への謝金、その他の支出として、調査票印刷費および調査協力機関への郵送費(調査票送付・返信)および、データ入力アルバイト、統計処理業者への出金がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] シンポジウム メンタルヘルスからソーシャルヘルスへ若者支援というドラマ パネルディスカッション「今後の若者支援のあり方について 教育・医療・福祉・地域それぞれの立場から」2012

    • 著者名/発表者名
      森谷就慶
    • 学会等名
      独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業 青年期のメンタルヘルス事業
    • 発表場所
      エルパーク仙台(仙台)
    • 年月日
      2012.3.4
  • [学会発表] 国際生活機能分類(ICF)を用いた精神障害者の就労支援予測2011

    • 著者名/発表者名
      森谷就慶,高橋聡美,金子さゆり,伊藤道哉,濃沼信夫
    • 学会等名
      第49回日本医療・病院管理学会学術総会
    • 発表場所
      学術総合センター(東京)
    • 年月日
      2011.8.20

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公開日: 2013-07-10  

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