大念仏寺社会事業団は、融通念佛宗総本山大念佛寺の支援を受けて昭和31年6月に大阪市平野区に設立された大念仏寺母子寮を端緒とし、現在も地域社会における児童福祉の拠点的役割を担う諸事業を展開する、戦後仏教系社会福祉事業の中でも代表的な社会福祉法人の一つである。 本研究は、戦後混乱期における地域の要望を受けて設立された仏教理念を背景に持つ同法人について、①同法人が未整理のまま所蔵していた史料群の整理を行って目録化し、②その資料を活用しつつ、戦後仏教社会事業の展開を融通念仏宗の取り組みと合わせて再確認することを通じて、③東日本大震災以降の社会の中での仏教社会福祉事業の在り方を事例的検討を試みている。
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