福祉用具の導入に際して、介護者は不安と期待があり、その対策として高齢者に安心感を与える工夫を行い、介護者同士で技術の勉強会を実施していた。福祉用具の使用で、高齢者の肯定的な態度や身体機能の向上がみられ、介護者の介護負担の軽減や、高齢者の外傷、ヒヤリハットの報告が減少するなどの効果がみられた。一方で、高齢者の拒否や体調不良があるとき、介護者の時間がないときなどは身体を使って持ち上げる介護を行うことが明らかとなった。本研究で、導入には、高齢者の利点がより明確であることが重要な因子であり、介護従事者が移動・移乗のアセスメントを適切に行える能力を持つことの必要性を示唆する結果が得られた。
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