研究課題/領域番号 |
23530761
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
西下 彰俊 東京経済大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80156067)
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研究分担者 |
藤岡 純一 関西福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70165356)
宣 賢奎 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (90382796)
小関 祐二 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10373127)
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キーワード | スウェーデン / 日本 / 韓国 / 高齢者ケア / 評価 / 情報公開 / ケアの質 |
研究概要 |
まずスウェーデンに関して、2007年から進めている高齢者ケアの評価および情報公開に腐心してきているが、2012年に著しい変更が加えられた。ケア・サービスの評価システムには、「エルドレガイデン」と「情報公開-高齢者に対する看護と介護」の2つがある。前者の変更点は、全国の介護の付いた特別住宅に対して、7項目について5点満点で評価していたものを廃止し、新項目を含む10項目について、当てはまるレベルをパーセント表示するように変更された。後者のシステムの変更点も大きい。この評価の中で、ホームヘルプサービス利用者に対する満足度調査と介護の付いた特別住宅の入居者に対する満足度調査に対する結果を情報公開している。2011年までは、要介護高齢者や認知症高齢者に、30数項目について、1つひとつ10単満点で回答するように求めていた。批判が強い中で、2012年からは、30項目弱に対して5件法で回答してもらうように変更された。次に、日本ついて述べると、ケアに関する事業者関連情報は、介護サービス情報公表支援センターが公表している。2012年に情報公開制度が大幅に変更された。スウェーデンの網羅性のあるシステムに比べると、日本は著しく後退した。後退の最も大きな理由は、2011年まで毎年実施の指定調査機関の調査員による評価調査が、都道府県単位で任意となり義務づけが廃止されたことである。また、各事業者が調査機関へ支払う手数料が高額であったのに高齢者ケアの質の向上には資することがない点が問題となっていた。第3に、韓国に関しては、老人長期療養保険制度のもとでの施設ケア、在宅ケアに関して事業者評価が毎年実施される。優秀との評価を得た上位10%の事業者は名称が公表され、介護報酬として褒賞を上乗せするという経済的なインセンティヴを織り込んだ評価・情報公開システムとなっており、スウェーデンや日本に見られない特徴を持つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に明記した課題は、上記研究実績の概要で詳述したように、研究代表者および研究分担者との有機的な連携のものに、遂行されてきている。その意味で、おおむね順調に進展していると自己評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は、当該研究課題の研究計画の最終年度にあたる。 上記の研究実績の概要で確認したように、研究対象となっているスウェーデン、日本、韓国の高齢者ケア(在宅ケアおよび施設ケア)に関する評価システム、加えて評価結果を情報公開するシステムに著しい差異が見られることが分かる。 2012年度に各国のシステムの実態把握ができたので、2013年度は、比較分析を詳細に行い、本研究課題のまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度に実施した3か国の評価システムおよび評価結果に対する情報公開システムを詳細に調査研究した。 2013年度は、2012年度の調査研究を踏まえて、比較分析研究を遂行しまとめを行うことが主たる研究課題である。ただ研究の総括を行う過程で、補足調査が必要になる。2013年度の研究費は、こうした補足調査に当てられる、
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