研究課題/領域番号 |
23530762
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
坂田 伸子 東洋大学, 社会学部, 助教 (60408961)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者虐待 / 地域包括支援センター / 市町村 |
研究概要 |
本研究は、高齢者虐待対応に関するグループインタビューを、(1)全地域包括支援センター職員、(2)3職種別職員、(3)行政職員の3層を対象に実施し、地域包括支援センター間、地域包括支援センター内職員間、地域包括支援センター職員と行政職員間の高齢者虐待対応の認識の相違、地域包括支援センター職員の不安要因等を把握し、改善策等を提案し、地域包括支援センターの高齢者虐待対応の促進に貢献することを目的としている。 グループインタビュー調査実施するに当たり、録音の必要性を説明して全員の許可を得てから実施した。参加者に番号を振り分けてテープ起こしの際、発言者はすべて番号で処理してデータ化し、個人・自治体等が特定されないように統計処理を行った。データは研究、研究発表(学会発表・論文)等にのみ使用することを説明し、人権、個人情報の扱いには十分注意して実施した。 23年度のグループインタビューは、A市B行政区に実施し、概要は以下の通りである。(1)実施期間:23年11月~12月、(2)対象:8ヵ所の地域包括支援センター職員、社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師、行政職員、(3)回数:12回。現在分析を行っている。 グループインタビュー時に参加者対象に、厚生労働省が毎年実施している「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」「市町村における高齢者虐待防止対応のための体制整備等について」の質問項目について自記式質問し調査を実施し、個人の認識の相違を把握した。 グループインタビュー調査実施約3カ月後の平成24年3月に、「高齢者虐待対応に関するグループインタビュー調査後の評価アンケート」をグループインタビュー参加者全員を対象に自記式質問紙郵送調査を実施し、インタビュー後の個人および地域包括支援センター、行政内の高齢者虐待対応に関する意識変化を把握し、現在集計中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年5月に科研費の交付申請書類を提出後、研究委員会の委員の委嘱、日程調整等を行って7月に第1回の委員会を開催して、調査準備を開始した。インタビューガイドの作成をしながら、インタビュー調査の対象自治体を決定し了解を得てから、インタビュー調査の日程調整を始めた。 8か所の地域包括支援センターがある行政区であったため、12回のインタビューになり、各地域包括支援センター内の3職種の出勤調整、8地域包括支援センターの3職種の日程調整、行政職員の日程調整等に時間がかかり、11月から12月の実施になった。各インタビュー調査は約1時間であるが、テープ起こしの作業に時間を要し、さらに分析には時間を要した。3月中に分析まで行う予定であったが、現在1カ月遅れて4月末の終了に向けて作業を進めている。 平成24年1月には第2回目の委員会を開催し、データの分析方法、「インタビュー調査後の評価アンケート(自記式質問紙郵送調査)」内容について検討した。自記式質問紙郵送調査は3月に実施し、現在集計作業中である。 23年度のインタビュー調査分析の作業は約1カ月遅れているが、この研究は複数の市町村によるインタビュー調査の分析が必要なため、3年間の研究全体を考えると、「おおむね順調に進展している」と自己評価をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
4月中に市町村へ今年度のインタビュー調査の依頼文書を提出し、承諾を得た自治体と調査の実施時期を調整する。24年度は、5~9か所の地域包括支援センターを設置している自治体と、2~3か所の地域包括支援センターを設置している自治体へのインタビュー調査を予定している。 5月に平成24年度第1回目の委員会を開催し、平成23年度のインタビュー調査の分析結果を報告する。 8~10月にかけてインタビュー調査を実施し、11~1月にかけて自記式質問紙調査の評価アンケートを実施する。 8月からインタビュー調査実施後順次テープ起こしと分析を行い、平成25年3月までに終了する。自記式質問紙調査の評価アンケートの分析も平成25年3月までに終了する。 平成25年1月に第2回目の委員会を開催し、調査報告と今度の分析方法について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.平成23年度の繰り越し予算から、現在作業中のインタビュー調査の分析の業務委託費、評価アンケートのデータ入力の業務委託費を支出する。 2.平成24年度の研究費も平成23年度の研究費と同様に、調査自治体への交通費、テープ起こしの業務委託費、データ分析の業務委託費、委員会参加者の交通費等の使用を予定している。
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