当事者の精神保健サービスへの関与を促進する動きは先進諸国の新たな課題となっている。専門職サービスには限界があり「生きられた経験」を通じて病気に対する構えを利用者と共有する支援の可能性を諸研究が提案している。一方現実には当事者の主流の精神保健サービスに参画する研究は研究数や研究設計の点で限定的である。主流サービスへの関与よりもむしろ精神保健サービス以外の分野で隙間を埋める芸術、当事者経験のメディアによる伝達、当事者ビジネスなどサブマーケットやニッチの活動を通じた活動分野と幅の拡大こそが当事者の力を発揮する可能性を秘めていることが本研究を通して示唆された。
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