研究課題/領域番号 |
23530766
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研究機関 | ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
福島 喜代子 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (40307997)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 精神保健福祉 / リカバリー / 科学的根拠に基づくプログラム / IMR / ソーシャルワーク / 実践研究 |
研究概要 |
本研究は、精神障害者に対する「IMR(リカバリーと病気の自己管理プログラム)」を普及するにあたっての促進要因や阻害要因を明らかにし、IMR実践の効果を把握することを目的とした研究である。IMRは、うつ病、そううつ病、統合失調症等をわずらう精神障害者を対象とした、リカバリー志向の、科学的根拠に基づくプログラム(EBP)である。科学的根拠に基づくプログラムとして紹介されながら、日本でその普及が十分になされているとはいえない。そこで、本研究では(1)IMRをはじめとする、科学的根拠に基づくプログラムの実施意向、(2)IMRの普及の促進要因と障壁、(3)IMRプログラム実践の効果を明らかにすることとしている。 初年度の平成23年度は、(1)研究の運営委員会を開催し、研究の具体的推進について協議を行った。そして、研究倫理審査を申請し承認を得た。(2)都内の障害者支援施設で精神障害者を受け入れている施設、及び、デイケアを実施している精神科病院(約660箇所)を対象に、実施意向調査を実施した。 調査の結果、約3割から調査の回収を得ている。調査結果から、科学的根拠に基づくプログラム(特にIMRプログラム)の実施意向や、実施の阻害要因などが明らかにされつつある。地域を基盤とした施設・機関においても、IMRの実施意向は一定以上あることが明らかにされつつある。一方、人的、金銭的な社会資源が不足しがちであること、また、研修の機会やスーパービジョンの機会の不足などが明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
障害者支援施設や精神科病院を対象にした質問紙法による調査はすでに終えている。そして、IMRの実施意向や、実施するにあたっての促進要因や阻害要因は一定以上明らかになってきている。そこで、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度以降は、(1)平成23年度までの調査結果を生かし、IMR実施意向のある障害者支援施設などへ実践研究への参加の呼びかけを行う。(2)都内の障害者支援施設を対象に、IMRプログラム実践研究の説明会を開催する。(3)実践研究に参加する施設を対象に、IMRプログラムの研修会を開催する。(4)IMRプログラム実践中に、実施スタッフを対象としたグループ・スーパービジョン及び、電話コンサルテーションを提供する。(5)IMRプログラム参加者を対象に、任意で事前・事後調査を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度以降の研究費は、(1)IMR実施意向のある障害者支援施設などへ実践研究への参加の呼びかけを行うための説明資料等の印刷費、送料、(2)説明会、研修会、グループ・スーパービジョン等の実践研究参加施設スタッフの交通費、(3)IMRプログラム実施施設でかかる、IMRのツールキット代金、配布資料印刷費、文具費等、(4)参加者の調査において、主治医にも評価を依頼するための謝礼、参加者への調査協力謝礼、(5)実践研究参加施設への調査推進や、研究成果の発表等のために学会出席等にかかる旅費などに使用する。
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