研究課題/領域番号 |
23530768
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
ララッタ ロザリオ 明治大学, ガバナンス研究科, 講師 (30598313)
|
キーワード | WISEs / 障害者総合支援法 / ソーシャルエンタープライズ |
研究概要 |
2012年度は、「ソーシャル・エンタープライズが、持続的に、障がいのある人の就労と社会参加を行っていけるようにするには、どのようなことが組織内外で行われるべきか」ということに焦点をあて、調査を行った。具体的には以下のことを実施した。 (1)アンケート調査:障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)の下、就労移行支援一般型、就労移行支援資格取得型、就労継続支援A型、就労継続支援B型のいずれかの事業区分に該当するソーシャル・エンタープライズを、独立行政法人福祉医療機構が運営するサイト・WAMNETを通して、1000団体、無作為抽出した。「事業所の概要」「スタッフのマネジメント」「企業との関わり」「地域や社会の人々との関わり」「政策提言や社会的な仕組みづくり」を網羅した30項目からなるアンケート票を、7月から8月にかけて配布し、350の回答を得た。 (2)インタビュー調査:(1)の結果を基に、さらなる知見や新たな発見を得るべく、11月14日から22日にかけて、北海道札幌市ならびに網走市で、12のソーシャル・エンタープライズに、インタビュー調査を行った。上記の地域を調査先に選定した理由は、北海道札幌市は、障がいのある人の就労と社会参加に取り組むソーシャル・エンタープライズが数多く存在し、自治体としても、独自の障がい福祉ならびに雇用施策を有していること、北海道網走市については、こうした活動を行うソーシャル・エンタープライズが、近年、急速に増加しているためである。得られた結果について、統計分析を交えながら考察を行い、2013年2月、論文の要約を4th EMES InternationalResearch Conference on Social Enterpriseに投稿したところ、採択を得られた。2013年7月、ベルギーにて口頭発表を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は予定どおり遂行され、2012年度は、日本の事例についての調査を行った。得られた成果のいくつかは、既に学術誌にて発表されている。現在、イギリスの事例に関する調査に向けての準備を行っている。アンケート票とインタビュー事項はほぼ完成しており、調査対象先の選定に入っている。7月上旬までに、アンケート票を回収し、8月上旬に、いくつかのイギリスのソーシャル・エンタープライズの代表にインタビュー調査を行う予定でいる。10月ないし11月までに、イギリスの事例と日本の事例の比較調査を行い、それを基に、どのような政策がソーシャル・エンタープライズを発展させ、普及させる上で必要かを検討する。
|
今後の研究の推進方策 |
2013年度の研究計画は以下のとおりである。 (1)イギリスのソーシャル・エンタープライズを対象としたアンケート調査の実施(2)いくつかのイギリスのソーシャル・エンタープライズの代表を対象としたインタビュー調査の実施 (3)(1)ならびに(2)の結果を比較分析。得られた見地のまとめ (4)日本の事例とイギリスの事例の比較分析 (5)(4)から得られた見地のまとめ。それを基に、日本とイギリス両国において、ソーシャル・エンタープライズを発展させる上で必要な政策を提示。多様な方法研究成果を公表する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
2012年度の研究予算は、ほぼ100%用いたが数万円の残額が残った。2013年度の予算と合わせて調査の実施・分析に係る謝金および旅費に用いる。
|