研究課題/領域番号 |
23530773
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
宮嶋 淳 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (00454299)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ソーシャルワーク / 生殖ケア / 国際情報交流 / 人間福祉 |
研究概要 |
本研究は、わが国において第三者が関わる生殖技術に関する当事者のHuman well-beingが保障された法体系が整備され、それを確保するための人権擁護の社会的システムが構築されるために必要な枠組みを構築し、かつ、そのためのエビデンスをソーシャルワーク研究の立場から蓄積することをめざした。 これまでの研究成果を踏まえ、子どもの権利擁護や生殖ケアの視点から国内の多方面にわたる学識経験者とディスカッションし、先駆的な知見を収集分析すると共に、国内学会における議論を展開した。 また第三者が関わる生殖技術に関する国内法をいち早く制定し、かつ、ソーシャルワークの専門家が関わるニュージーランドを基点とする調査を行なった。 その結果、第一に第三者が関わる生殖技術に関わる当事者のHuman well-being を保障する法律をわが国において構築していくためには、さらに子どもとカップルのHuman well-beingに関する理論研究を進めると共に、この案件にかかる社会正義を理論化する必要があることが示唆された。第二に本研究課題が国際的なトランスファーに関わる問題を含んでいることから、国境を越えた議論が必要であり、国内外の現状や理論、支援方法としてのソーシャルワークの実態を調査・分析していくことが求められることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究計画を、(1)第三者が関わる生殖技術に関する当事者のHuman well-beingに関する理論研究、(2)当事者のセルフ・ヘルプ・グループ等の動向に関するアクションリサーチ、(3)諸外国の生殖技術に関する法律並びにソーシャルワークに関するフィールドワーク、(4)DI者のHuman well-beingに関する研究成果の公表の4点とした。 これらの研究計画の進展状況は、(1)=文献調査により、(2)=当事者グループの活動への参画、(3)=ニュージーランドをフィールドとするヒアリング調査を、そして(4)については学術図書の出版と学会発表による他の学問領域の専門家との議論を展開することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度については、(1)第三者が関わる生殖技術に関する当事者のHuman well-beingに関する理論研究、(2)当事者のセルフ・ヘルプ・グループ等の動向に関するアクションリサーチ、(3)諸外国の生殖技術に関する法律並びにソーシャルワークに関するフィールドワーク、(4)ソーシャルワークの価値やアプローチに関する研究、(5)本研究課題に関する社会的認知を得るための公開シンポジウムの開催、(6)DI者のHuman well-beingに関する研究成果の公表の6点を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の当該研究において、6つの柱の研究を推進するため、理論研究のための図書の購入、シンポジウム開催のため伸び消耗品の購入、国際的な会議における研究成果の発表のための旅費等、引き続き諸外国におけるフィールドワークを行なうための諸経費として、おおむね計上どおりの支出を行なう予定である。
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