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2013 年度 実施状況報告書

東アジアにおける福祉文化的基盤の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530777
研究機関中京大学

研究代表者

大友 昌子  中京大学, 現代社会学部, 教授 (30060700)

キーワード東アジア / 福祉文化的基盤 / 地域組織
研究概要

1.研究の目的と方法:本研究は、東アジア、とくに中国、朝鮮半島、台湾、ベトナム、日本に共通する福祉文化的基盤について検討することを目的としている。福祉文化的基盤としては、親族組織、職業組織、同郷組織、地域・地縁を媒介とする地域組織などが認められるが、本研究では、地域・地縁を媒介とする地域組織に着目し、そのなかでも台湾の廟を中心とした宗教的な地域救済活動、朝鮮半島とベトナムに分布する「郷約」、日本の「五保の制」「五人組制度」に注目した。フィールド調査は、台湾、韓国、ベトナムにおいて実施した。中国については、台湾の漢民族にそのルーツをたどることができることから、文献研究のみを行った。
2.研究実績:台湾では台北の古い港町に位置した廟「保安宮」の地域活動をとりあげ、現代の動向を含めた歴史的文献調査を行った。ベトナムでは中部の歴史的な港町ホイアン、ハノイ近郊農村ドンラム村、韓国は伝統色濃い安東市河回村で調査を行った。中国、韓国、ベトナムには中国に淵源をもつ地域組織「郷約」があり、今日もその威勢は弱体化したものの、依然としてその機能を発揮していることを明らかにした。
3.研究発表:研究結果の一部は、2013年3月に「東アジアにおける福祉文化的基盤に関する一試論-東アジアの地域組織と日本統治下台湾・朝鮮における植民地社会政策-」として、国立台湾図書館主催「近代東アジアのなの台湾」シンポジウムにおいて報告し、2013年10月に論文としてまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東アジアにおける福祉文化的基盤を地域の互助体制や地域組織に探ることを目的とした本研究は、その達成度を明確化することが難しい性格をもつが、民衆の生活、精神生活に深く浸透した台湾の廟の地域救済活動、韓国とベトナムに500年以上の歴史をもつ「郷約」についてのフィールド調査とその実態把握などを実施した。
今後文献研究を重ね、日本の五人組研究を含めて、東アジアの「福祉文化的基盤と地域組織」という研究成果を出し得る方向で、さらに調査研究を進める計画である。

今後の研究の推進方策

韓国郷約調査について、10月に行われる儒者を祀り、郷約を唱える祭祀について調査を実施する予定である。
あわせて、日本の地域互助組織の研究と東アジアの地域組織研究に関する文献を蒐集検討する。「東アジアにおける福祉文化的基盤と地域組織」という研究成果を出す方向で研究成果をまとめる。

次年度の研究費の使用計画

韓国安東市における郷約調査のうち、儒者を祀る秋期祭祀に、体調不良のため参加調査できなかったことから、2014年度秋に延長した。
2014年10月に開催される安東市河回村の例祭に参加、調査する。この交通費、謝金、さらに文献蒐集費用として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 東アジアにおける福祉文化的基盤に関する一試論-東アジアの地域組織と日本統治下台湾・朝鮮における植民地社会政策-2013

    • 著者名/発表者名
      大友昌子
    • 雑誌名

      『近代東亜中的臺灣 國際學術研討會論文集』

      巻: 1 ページ: 148頁~162頁

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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