2007年に台湾、朝鮮半島、日本における20世紀前半の社会事業政策を、帝国日本の植民地統治という視点から比較研究成果を刊行した。この研究成果に基き東アジアにおける福祉文化の共通基盤を探ることを目的に、互助の地域組織についての横断的な調査を行った。 研究成果としては、東アジアの福祉文化的基盤にはベトナムなど中華の影響を受けた他地域も研究対象に入れる研究上の必要が生じた。ここには中華福祉文化圏とも称すことが出来る地域組織や互助組織が分布し、またこれらを道徳や倫理によって社会的規範とする思考基盤に共通性が見られた。一方、地域組織や互助の実際や展開には各地域の福祉文化が反映していることも明らかとなった。
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