本研究では日本とフィリピンで3つのPAR(参加型アクションリサーチ)を行い、それぞれのPARで協働した組織やグループが自分たちの状況把握を行うとともに、具体的な改善計画の策定、その実施と評価を行うことで、グループや組織の改善に結びつけることに成功した。また、いずれのPARにおいても、そのプロセスの中で参加者たちが個人レベルおよび組織レベルでのエンパワメントの達成、さらには研究成果をソーシャル・アクションに結びつけることにも成功した。これらの研究結果からは、PARが文化を超えて国際・多文化ソーシャルワークの領域で、調査と実践を統合した手法として有効であることが確認できた。
|