研究課題/領域番号 |
23530799
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
横尾 惠美子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (10369473)
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研究分担者 |
重松 義成 西九州大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (10390337)
森永 牧子 九州大谷短期大学, その他部局等, 准教授 (80413590)
中村 京子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (00597099)
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キーワード | 介護従事者 / 離職 / 施設管理者 / 人材育成 |
研究概要 |
I.研究の背景:介護福祉人材不足の状況は一向に改善されず、他の産業の離職率と比べ依然として高く、法人により離職率も著しく異なる。介護職員の雇用定着を阻害している要因を解明し、介護職員が定着できる職場の構築が、今求められている。 II.研究方法:1.研究目的:介護職員の仕事内容や人間関係、上司との信頼関係等職場環境から離職意向の誘因を抽出する。離職意向の誘因を特定することで「働きやすい職場」≒「離職率の改善」となるのではないかと考えている。2.研究方法:調査票を用いた無記名式、自記式質問調査を介護保険施設の介護職員を対象に行う。 III.結果と考察 1.調査協力者の属性:回答数:67施設、介護職員1398人。 性別(有効回答数:1388) 男性447(32.2%)、女性941(67.8%)。年齢(有効回答数:1379)平均38.0、標準偏差値5.1。雇用形態(有効回答数:1379) 正規職員1094(79.3%)、非正規職員285(20.7%) 。介護職員に「離職したい」という気持ちにさせる要因は、「残業や休日出勤が多くて自分の時間が取れない」、「仕事の内容の割に報われない仕事」、「勤務変更や有給がとりにくい」等の「仕事の割には報われなく、勤務の融通性もない職場」(r=.577)であり、プラス要因は「この施設の上司と働きたい」、「上司は仕事ぶりを適切に評価してくれる」、「施設の運営理念に共感する」といった「運営理念を共感でき信頼できる上司のいる職場(r=-.577)」や「私の職場は皆まとまっている」等の「職場の人間関係の良好さ(-.517)」である。加えて「仕事量の多さや精神的負担」も誘因になることが判明した(r=361)。労働過重にならない勤務体制の整備、尊敬や信頼できる上司の育成、自己裁量権や自負心の持てる仕事の遂行と、その仕組みつくりが離職意向の予防因子になることが示唆された。
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