知的障害、重度重複障害をもつ子どもの教育、医療、福祉の制度は整備されつつあるが、種々のサービスをより良い形で享受するためには、家族のコーディネートやサポートが必要になる。子ども期のみならず、成人後においても家族が経済的援助を担うことや、子どものケア役割を果たすために母親の就労が制限されるなど、障害児者家族が生活困窮に陥るリスクが高い。一方で、障害者自身の経済的自立は、一般就労、福祉的就労、ともに低賃金であることから困難となり、家族への依存が強まる傾向にある。障害者年金と就労賃金を合算してもなお、離家をしての生活が営めないという実態は、障害児者はもとより、それを支える家族の貧困にもつながる。
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