研究課題/領域番号 |
23530803
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研究機関 | 帝京学園短期大学 |
研究代表者 |
大内 善広 帝京学園短期大学, その他部局等, 講師 (00454009)
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研究分担者 |
野澤 義隆 帝京学園短期大学, その他部局等, 助教 (20550859)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 母親の育児ストレス / 保育所や保育士の取組み |
研究概要 |
本研究は,母親の育児ストレスの軽減に対する効果的な保育所や保育士の取組みとは何かについて明らかにするものである。そのために,平成23年度では,まず母親の育児ストレスやその関連領域の書籍や論文を収集し,最新の知見に関する先行研究の整理を行った。同時に,母親への支援に関する保育所や保育士の取組みの具体的内容について,山梨県内の2箇所の保育所を対象にヒアリング調査を行った。その結果,保育所の中でも母親への支援が大きな課題となっていることが明らかとなった。また,母親の育児ストレスの軽減に貢献しうる取組みとして,保育所単位では,主に保護者を対象としたイベントを行うこと,保育士単位では,連絡帳によるやり取りの他,子どもの送迎時等において母親との日常的な会話を行うことが挙げられた。その上で,保育所全体での母親に対する取組みを把握するための保育所長を対象とした質問紙(所長用質問紙),クラスの中や日々の業務における母親に対する保育士の取組みを把握するための保育士を対象とした質問紙(保育士用質問紙),その保育士が担当しているクラスの母親の育児ストレス等の実態を把握するための母親を対象とした質問紙(母親用質問紙)といった3種類の質問紙を作成した。なお,これらの質問紙は保育所長の経験を持つ有識者に検討してもらい,質問紙の項目が保育所や保育士,母親の実態をある程度捉えられるであろうことを確認している。山梨県内の全認可保育所(257箇所)を対象とし,調査対象の保育所に対して調査依頼書及び質問紙のサンプルと調査実施要項を送付し,調査に協力することを承諾した保育所においてのみ調査を実施した。しかし,計画当初の見込みよりも調査協力保育所が少なく,最終的に53箇所(母親データなしの17箇所を含む)の保育所が調査対象となった。現在,調査結果のデータ入力が完了し,今後マルチレベルモデルによる分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定通り,当該年度において山梨県内の全保育所を対象とした調査を実施できた。しかし,計画当初の見込みを下回る回収率のため,十分な信頼性を持つデータの確保が出来たとは判断しにくい状況であるため,2年目以降の調査計画を見直す必要が生じた。また,研究代表者の研究機関の異動に伴い,2月以降に科研費の研究に対するエフォートが低下し,当初の計画よりも分析や報告書作成,論文執筆において遅れが生じている。同時に,研究代表者と研究分担者の所属機関が離れたため,研究を進める上での円滑な連携方法について検討する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
まず,研究分担者との円滑な連携を図るために,skypeの導入やスケジュールの調整等の具体的方策を検討していく。同時に早急に研究分担者と連携研究者を含めた会議を実施し,平成23年度の調査データの分析を完了させ,早急に報告書の作成と配布を行う。そうした上で,追加データの必要が生じた場合は,再度山梨県内の未調査保育所を対象に調査を行うか,他の県内に対象を絞った上で,平成23年度と同様の調査を行っていく。その後,全国の保育所リストを作成し,サンプリングを行った上で全国調査を実施し,平成23年度調査結果の妥当性について検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
先述の通り,平成23年度の調査では,当初計画の見込みを下回る回収率であったため,本研究で請求していた研究費の大半を占める質問紙郵送料の費用が低くなった。そのため,平成24年度では,調査対象とする保育所の数を増やし,回収率がある程度低くても調査対象保育所の絶対数を確保できるように努め,分析に耐えうるデータ数を収集する。また,研究代表者の異動に伴い,研究分担者と対面で研究打合せを行う際に旅費等が必要となるため,次年度使用額で充当していく。その他の研究費の使途は当初計画通りの執行を予定している。
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