研究課題/領域番号 |
23530804
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
佐々木 隆志 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50178654)
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キーワード | 終末ケア / ターミナルケア / エンド・オブ・ライフケア / 高齢者 / 介護老人福祉施設 |
研究概要 |
平成25年度では、介護老人福祉施設の終末ケアの筆者のこれまでの研究成果とアジア、ヨーロッパからの日本の高齢者施設終末ケアのニーズに応えて、書名“Study of End-stage Care Manegement in Japan”(中法法規出版)[科研費:研究成果公開促進費、 課題番号255161)を刊行した。主たる研究実績は下記の通りである。Chapter1:The Meaning of Studying End-Stage Care Manegement for the Elderly,Chapter2:End-Stage Care Manegement at Intensive Care Homes for the Elderly,Chapter3: End-Stage Care Manegement at Long-Term Care Health Facilities for,上記の研究から、 在宅での終末ケアの実践は進みにくい状況にあり、介護老人福祉施設では、終末ケアを支えるマンパワー不足が随所で見られる。即ち、平成12年の社会福祉法に示すサービスの質の向上と利用者の尊厳を守ったサービスの展開は、人材不足等から厳しいことが明らかにされた。また、施設終末ケアでの家族の立会いや看取りが、家族の介護満足度に繋がっていることが分かった。 以上の点から、今後の課題として施設における終末ケア実践の課題になっている要素をさらに分析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り順調に進んでおり平成25年度では海外からの終末ケア福祉ニーズに対応し英文単著を刊行した。“Study of End-stage Care Manegement in Japan”(中法法規出版)
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究計画では、終末ケアに関する地域性を重視した取り組みと、全国調査を実施予定である。いつの時代も高齢者はその長い生活経験からくるライフスタイルが重要であり、それは、そこに住む住民(高齢者)でなければ、理解できないことが多い。そこで高齢者についても障害者についても、介護や終末ケアを考えるときに、地域性や保健・医療・福祉のサービスの供給体制の有無が終末の場所と関連性が深いことを考察していく。さらに、高齢者を取りまく環境を抜きにして終末ケアは語れない。その際に、終末ケアとライフケアを一元的にとらえる視点が重要であり、イギリスにおけるセントクリストファーホスピスにおいては既に実践されている終末ケア項目と終末ケア、エンド・オブ・ライフケアを総合的にとらえて論究していく。終末ケアから高齢者の死と死の周辺に発生するクライアントのさまざまなニーズを、総合的にとらえたエンド・オブ・ライフケアの視点が今日の終末ケア実践に適合している論拠を明らかにしていく。 尚、終末ケアとエンド・オブ・ライフケアの関係性の中で、「国際障害分類の定義(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)の定義変更とエンド・オブ・ライフケア」についても先行研究から考察する。以上のことから、平成26年度では以下の柱により調査を進める。 ①施設における終末ケアとエンド・オブ・ライフケアの実態の分析。②介護保健施設におけるエンド・オブ・ライフケアの実践内容。③介護保健施設では、エンド・オブ・ライフケアの担い手は誰か。④「③」実践面においての課題は何か。⑤介護保健施設におけるエンド・オブ・ライフケアの有効性について、他。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度においては、一部施設長からの聞き取り部分が遅れ、アンケートを作成し調査を実施予定であるが、実施できなかった為、一部予算額を25年度へ持ち越し研究を執行した。 平成26年度では、静岡県内及び静岡県外の介護老人福祉施設を訪問し、終末ケアの実践及びエンドオブライフケアの取り組み実態について調査を予定しており、その旅費等に研究費を充当する予定である。
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