本研究は、介護老人福祉施設全国700か所を対象にして、終末の看取りに関する調査を行った。調査項目は、死亡場所、家族の看取り状況、死因、死亡時期、死亡前の家族との連絡及び死亡後等である。 【調査結果】1、死亡場所では施設内死亡54%、入院先の死亡44.1%、在宅に戻り死亡0.3%でった。2、死亡者で家族が立ち会ったケースは29.7%であった。3、死亡前家族が施設を訪問したケースでは平均9.17件(84.1%)が「ある」と答えている。4、死亡時期の平均では、「3月」が1.50名と最も多かった。次いで「6月」1.28名となっている。5.死因では、「老衰」942名、「肺疾患」390名の順となっている。6、死亡前家族との話し合いでは、「家族、親族などと話し合われた」10.01件、 「家族、親族などと話し合わなかった」2.86件となっている。7、死亡後、家族と連絡が取れなかったケースは、平均3.0件(1.1%)あった。8、成年後見人制度の利用については、平均1.27件(11.6%)が利用していた。9、通夜や葬儀を施設で行ったケース「ない」(88.4%)、「ある」(9.0%)であるの平均件数は。5.76件となっている。10、施設や法人で共同墓地の有無では、「ない」(84.7%)「ある」(11.1%)であり、「現在検討中]及び「今後検討する」と回答した施設はなかった。 【今後の課題と展望】今回の調査から、高齢者の方が施設で死亡し、身寄りのない方への対応及び、「成年後見制度」は本人の死亡により支援が終了する為、新たな課題が明らかにされた。科研費による助成は終了したが、同内容でさらに全国の、特別養護老人ホームに継続調査予定である。
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