研究課題/領域番号 |
23530817
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研究機関 | 福島学院大学 |
研究代表者 |
内藤 哲雄 福島学院大学, 福祉学部, 教授 (20172249)
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キーワード | 対人コミュニケーション / 異文化間コミュニケーション / コミュニケーション・スキーマ / PAC分析 / 留学生 |
研究概要 |
文化によって、他者に何をどのようにコミュニケートするかの目的や方法についての枠組み(対人コミュニケーション・スキーマ)に違いが見られる。本研究では、日本に滞在し日本人と対話することで、母国と日本でのコミュニケーション・スキーマの違いに直面し、その際に気づきやすい外国人留学生を対象としている。平成24年度は、日本人とのコミュニケーションでの葛藤条件の連想刺激が不十分であったため、「葛藤」から「違和感」に変えた新たな調査を継続するとともに、日本応用心理学会大会、日本教育心理学会総会でそれらの研究成果を発表した。 ついで、異文化間対人コミュニケーションに関する研究情報の交換、研究者との交流に関しては、2013年2月にタイ国バンコクのチュラーロンコーン大学文学部東洋言語学科日本語講座を訪問して、教員や大学院生への講演を実施するとともに、情報交換した。2013年3月には、USAのニューヨーク大学、コロンビア大学での異文化臨床についての研究者で、異文化間対人コミュニケーションに強い関心を持つ教員に内藤の研究成果について紹介した。さらに、コロンビア大学の病院では、医療現場のマネージャーの要請で、子どもの移植手術に来ている日本人の親御さんから、医療現場における異文化間コミュニケーションの問題についてうかがい、担当者と討議した。また、ニューヨーク総領事館では本研究の成果を中心とした異文化間コミュニケーションについての講演をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本人とのコミュニケーションで「葛藤、トラブル」を感じる条件を「違和感」を感じる条件に変更したことで、有効な知見が得られるようになり、学会大会での発表をすることができた。また研究情報の交換に関しては、チュラーロンコーン大学の日本語教育、ニューヨーク大学とコロンビア大学の臨床心理学の教員たちから、研究成果への関心を得ることができ、コロンビア大学附属病院の国際関係のマネージャーやニューヨーク総領事館での講演受講者からは実用的な価値が評価された。
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今後の研究の推進方策 |
PAC分析の調査を継続することは自明であるが、次年度は最終年度であり、研究成果を国内学会(日本応用心理学会、日本心理学会)大会だけでなく、国際学会大会(ヨーロッパ心理学会大会、アジア社会心理学会)での発表を予定している。また、海外の研究者との情報交換を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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