研究課題/領域番号 |
23530819
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前田 祐子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30378749)
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研究分担者 |
小堀 栄子 摂南大学, 看護学部, 教授 (00422931)
福田 早苗 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (50423885)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インフォームドコンセント / 真実の告知 / Neutral Supporter / 終末期医療 / 医療コミュニケーション |
研究概要 |
臨床現場においての真実の告知は医療における基本的な倫理原則である。日本でも患者の自己決定権やインフォームドコンセントが重視され、終末期医療における病名告知は必須と考えられている。しかし真実の告知の基盤は個人の自立性の尊重があるといわれており、医療者と患者そして家族の相互依存的な関係を重視する日本では、真実の告知がとても難しい問題である。そこで日本の終末期医療現場における三者の真実の告知にたいする異なる立場と認識を理解を深め、日本特有の文化的背景を前提とした支援内容を明らかにするとともに真実の告知を担う人材創生に関する研究を行うことが目的である。そこで、まず一年目としては京大の倫理委員会の承認を行うために分担研究者と研究計画を作成し、実施経験のある患者家族に研究計画の説明と聞き取りを行った。そのあと、患者の担当医療従事者への研究計画への説明と聞き取りを行い、倫理委員会の承認を待った。承認を受けた後、インタビューの対象者をリクルートをはじめ、まずはインタビューを開始した。(患者・家族)これには質的研究法を用いて、末期ガン患者・家族そして医療従事者を対象に情報収集を行い、病名告知にたいしてどのようにとらえているのか、どのような病名告知が望ましいのか、現在の状況に不満があるのかを収集し、三者の立場の相違を抽出開始した。データのテープお越し・分析は随時開始しており、問題点があれば、分担研究者との把握と共有と解決を行っている。質的研究であるため、分析には充分な時間をかけ、妥当性の検討をし、理論的飽和になるまで十分に考慮する計画で行っている。この研究はスタート段階ではあるが、2011年10月日本公衆衛生学会にて発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
京都大学の医の倫理委員会の承認を受けてから調査をスタートしなければならず、承認が下りた時期が最初の予定よりも少し遅かったため、計画よりもインタビュー調査のデータ収集が遅れた。またスタートであるために問題点も出てきたこと、そしてその問題点の把握・解決・共有のため分担研究者との会議を持ったことで遅れた。しかし、その結果として、その後順調に調査は続いている。
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今後の研究の推進方策 |
患者・家族・そしてその医療従事者を対象にインタビュー調査を続行する。特に2年目からは医療従事者の対象を医師・看護師のほかに理学療法士(がんリハビリテーションの従事者)に広げ、行う予定である。インタビューのデータは今年からデータ起こしを業者に頼み、上がってきたデータで随時分析を開始するために、前年度より多くのデータ収集が可能となる。中間報告会議ではまずは患者・家族そして医療者(医師)のデータをまとめてみる予定である。9月にはまた日本公衆衛生学会で発表の予定をしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
インタビュー調査で収集したデータをテープ起こしするために、業者に依頼する予定であるため作業委託費が必要である、また国内3か所において病院や施設での調査のため旅費、インタビュー対象者への謝金の費用、調査分析のための会議費が必要となる。調査分析から資料作成、参考図書、配布資料が必要となる。本研究に際しては、国内関連学会への発表及び情報収集の旅費も必要となる。
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