研究課題
研究目的は次のようなものであった。否定的な自伝的記憶の想起が抑うつ感に及ぼす影響を申請者は確かめてきているため、本研究においては、自伝的記憶の想起から抑うつに至るパスにおいて、過去の研究から、媒介変数として自己開示、調整変数として自己注目を想定して、これらの効果を検証する。この研究目的に照らして、次のような研究を行った。研究を実施する以前に立てた仮説モデルを精緻化させて調査に入った。仮説モデルの各要因を表す調査項目を策定した。既存の尺度があるものはそれを翻訳して使用した。Buck et al.の自伝的記憶の機能尺度(TALE:Telling About Life Experience Scale)などである。既存の尺度でないものは新たに作成し本研究に用いた。その上で、生成された仮説モデルを検証し、さらに新たに作成した尺度の信頼性、妥当性などを検証するために、ネット調査を実施した。調査は、結果の一般化を高めるために、年代、性別により対象者がほぼ同等の数になるように、社会人を対象に実施した。調査は莫大な調査対象者を有する信頼できる調査会社に依頼した。本研究の基礎となる、自伝的記憶の機能に関する研究、調整変数である自己注目に関する研究を中心に行った。さらに本研究で措定した変数間の関係が、密接な関連性をもって具体的な行動として表出していると考えられる移民の母国訪問を取り上げ国際比較も行った。多くの研究成果が得られたが、現在までのところ、研究成果から査読付きの国内学会誌に2本掲載され、定評のある海外査読誌に1本の掲載が確定している。さらに、現在論文3本が審査中である。この他にも、数多くの国内外での学会発表を行った。
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日本国際観光学会論文集
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