研究概要 |
平成23年度に次の研究を行った。(1) 中国側の研究協力者である南京大学教授Zhai氏に来日をもとめ関西大学において日中の若年層のリスク認知の違いについて検討した。その際、中国青海大地震における住民の反応と、東日本大地震における住民の反応の違いを検討するために土田とZhai氏が共に津波被災地を訪れて被災者との交流を行った。(2) 次年度本調査の予備調査として、試みに原子力発電に対するリスク認知に特化したテーマで調査を行った。調査対象者は、中国雲南省昆明市の大学生(N=301)と、京都市の大学生(N=361)であった。中国調査対象者を昆明市の大学生とした理由は、本プロジェクトにおいて「中国では沿岸部の経済発展地域と内陸部の経済未発展地域にリスク認知に違いがあろう。」との仮説を設けているため、内陸部大学生に具体的に顕著に現れるリスク認知を探索するためであった。中国内陸部と比較対象の沿岸部の調査データとしては、昨年度に実施した南京大学の学生を対象としたリスク認知調査の結果を用いている。(3) 上記の調査データを取りまとめた後に、研究代表者である土田が南京大学にZhai教授を訪ね調査結果の検討を行った。また、次年度実施する予定の本調査を実施するにあたり、調査協力を求める中国側の大学研究者についての検討も行い実施計画を立てた。(4) 中国内陸部住民のリスク認知の実際を把握するために土田が中国雲南省昆明市を訪問し住民からの聞き取りを行った。(5) 予備調査として活用する南京大学調査の結果はMa, H., Zhai, G., & Tsuchida,S. 2011 としてC.Huang, J. Oritz, and S. Sears(eds.), "Beyond Experience in Risk Analysis and Crisis Response", Atlantis Pressに掲載された。
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