研究概要 |
本研究は、現代中国の若者のリスク認知を、中国国内における経済先進地域と後進地域の比較に焦点を当てて調査・分析することを目的としている。 平成25年5月下旬から6月上旬に、中国7地域10大学で調査を実施した。経済先進地域である北京(1大学, N=252)、上海(1大学, N=252)、南京(2大学, N=295)、経済後進地域である長春(1大学, N=287)、西安(1大学, N=206)、蘭州(3大学, N=295)、昆明(1大学, N=273)において(total N=1,860)、授業などを利用して質問紙調査票を学生に配布し、1,747名から有効回答をえた。分析対象者の出身地は、一級都市(北京・上海・広州など)8.8%、二級都市(省都および重慶・天津など)20.5%、三級都市(一級、二級以外の人口100万人以上の都市)15.7%、中小都市32.6%、農村地区22.4%であった。なお、参考として比較のために、同等の調査を日本の4大学(大阪、京都、静岡、東京)の学生を対象に実施し、418名から有効回答をえた。。 この調査データを分析して、「現代中国における若者のリスク認知:出身地(大都市-地方)の違いによる効果を中心に」「日本と中国の大学生における原子力発電の受容度の規定因」と題する2つの研究成果を、日本リスク研究学会年次大会において発表した。後者の研究は、日本リスク研究学会大会発表論文賞を受賞した。 さらに、過年度に実施した予備調査のデータを分析した研究が、「Risk Literacy and Risk Perception among Undergraduates in China: Case of BSE」と題してHuman and Ecological Risk Assessment(vol. 19, No. 2: 526-537)(査読有)に掲載された。
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