本研究では,家庭・仲間・教師という環境の中で,幼児期から児童期の環境移行期に,いかに社会性を獲得し,それが対人関係や学習場面に作用するかを縦断的に検討した。その結果,①幼児期から児童期にかけての社会性の獲得に関与する環境要因と個人内要因との関連が明らかになった。また,②環境要因・個人内容要因との関連を縦断的・質的に分析することによって,環境移行期の子どもが「自己」を主体としていかに社会性を獲得しているかという「個」×「環境」モデルを提案することにより,発達の多様性を明らかにした。さらに,研究結果をもとに,今後の子育て支援の在り方を提言した。
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