研究課題/領域番号 |
23530847
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩田 美保 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00334160)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 他者理解 / 社会的文脈 / 相互作用 / 会話 / コミュニケーション / 感情 / 内的状態 / 発達 |
研究概要 |
本研究の大きな目的は『幼児期から児童期中期にかけての他者理解の発達について、社会的相互作用と言語的側面に着目して調べること』である。今年度は上記の目的をふまえ、以下の縦断的・横断的観察およびデータ分析を行った。(1)家族間の食事場面での感情(ポジティブ・ネガティブ)経験に関する会話のやりとりの分析とプロトコルデータの完成:感情経験の会話分析については前年度より継続して行っており、まもなく新たな研究報告を発信できる段階となっている。また、これまでに得られた家族の会話データについてプロトコル化されていなかったデータについて作業を完了させ、新たな分析を開始した段階である。(2)幼稚園、小学校での観察の施行と分析:仲間間における自他の内的状態(特に感情)への言及を含むやりとりについて検討するために、幼稚園において月に2回のペースで縦断的な観察を行っている。その成果について、2011年5月の日本保育学会、2012年3月の日本発達心理学会、及び大学紀要において報告を行った。現在は、新たに得られたデータをプロトコル化する作業も行っている。小学校においては、5年生と6年生の授業の観察をそれぞれ2回(合計4回)に渡り行った。現在は一部プロトコルデータ化が終了しており、児童の感情を含めた相互作用の分析に入っている。 今後はこれらの分析をさらに進めるとともに、幼児期から学童期にかけての連続性も視野にいれながら、家族間や仲間間を中心とする社会的文脈における他者理解プロセスについてさらに検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の大きな目的は『幼児期から児童期中期にかけての他者理解の発達について、社会的相互作用と言語的側面に着目して調べること』であり、今年度は、(1)家族間の食事場面での感情(ポジティブ・ネガティブ)経験に関する会話のやりとりや、(2)仲間間における自他の内的状態(特に感情)への言及を含むやりとりについての分析を焦点的に行ってきた。(1)については、前年度より継続して焦点的な検討を行っており、今年度は学会等での意見交換等もふまえていくつかの新たな分析を行った。こうしたことから、まもなく新たな研究報告を発信できる段階となっている。さらに、プロトコルデータ化されていなかった観察データについて、プロトコル化を完了させることができた。現在は、それらの基礎データをもとに、新たな分析を開始している。また、(2)については、これまで、幼稚園において月に2回のペースで縦断的な観察を行い、その成果について、2011年5月の日本保育学会、2012年3月の日本発達心理学会、及び大学紀要において報告を行った。小学校においては、5年生と6年生の授業の観察をそれぞれ2回(合計4回)に渡り行った。現在は児童の感情を含めた相互作用の分析に入っている段階であり、今後はこうした分析の成果を報告できる予定である。こうしたことから、現在のところ、当初の目的に沿った研究活動が概ね順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成23年度に引き続き、幼稚園や小学校を対象とした縦断的・横断的観察を続行する。現段階では、概ね順調にデータ収集や分析が進んできているが、研究内容がまとまってきた段階で、足りないデータが生じた場合はそれを補完するために、一部特定の年齢段階を対象に観察等を行う可能性も考えられる。観察データのプロトコル書き起こしについては、並行して行い、研究結果を逐次、日本教育心理学会総会(9月)、日本発達心理学会大会(平成25年3月)等にて報告し、当該テーマに関係する、意見交換および資料収集を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費については、本研究が長期的な観察と膨大な映像データや音声データに基づく研究であるために、そのデータの分析のための費用(アルバイト、メディア類等、)と、学会等における研究成果の発表のための費用、また、文献・資料のための費用が中心となる予定である。
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