研究課題/領域番号 |
23530850
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90337733)
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研究分担者 |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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キーワード | 喪失体験 / 子ども / 心のケア |
研究概要 |
本研究では、科学的知識が不足しているときに専門家の意見や経験を集約するデルファイ法を用いて、大切な人を亡くした子どもに対する教師の対応について、学校臨床に携わった経験のある専門家の意見を集約し、ケースに共通して必要かつ重要だと考える教師の対応方法を見出すことを目的とする。H25年度は、専門家を対象とした第1回調査を行った。 小林・茅野(2013)の予備調査により得られた記述を基に項目を作成した。質問内容は、大きく4つのカテゴリーに分かれ、「(どのケースでも共通していると考えられる)基本の対応」、「大切な人を亡くした子ども本人への対応」、「学級での対応(周囲への対応)」、そして「教師自身」となり、最終的に65項目となった。回答では、それぞれの項目の文章に同意する(あるいは同意しない)程度を表す数字(「まったく同意できない(0)」から、「完全に同意する(9)」にチェックを入れてもらった。また、各項目について意見や考えがある場合には、任意で自由に記述する欄を設けた。調査の回答時間は約20~30分であった。合意の基準は、成澤ら(2013)にならい、70%以上の回答者が7点以上と回答し、かつ、平均点が7点以上の項目とした。 第1回調査では、調査用URLをスクールカウンセラーなど同意が得られた81名に送信し、79名から回答を得た(回答率97.5%)。その結果、合意の基準に達した項目は62項目となり、第1回調査で基準を満たした項目は95.3%となった。一方で、合意の基準に達していなかった項目は3項目であった。同意率が低い項目があったカテゴリーは、日常生活での対応と子どもが(死別体験についての)話をしてきた時の対応であった。話をしてきた時の対応については、教師がとまどう場面として指摘されており(小林ら,2012)、専門家でも意見が分かれるポイントであることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度は予定通り、専門家を対象とした調査を実施することができた。さらに、H26年度に実施予定の第二回調査の準備を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
インターネット調査システムを導入したことにより、入力作業等にかける時間が抑えられ、想定以上に作業をスムーズに進めることができている。今後もこのシステムを活用し研究を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
産前産後の休暇又は育児休業による中断をし、H27年度まで補助事業期間の延長が認められたため(H26年2月3日承認) H26年度は、専門家を対象とした第2、3回調査を行う予定である。
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