本研究は3つの研究を行った。研究1では喪失体験を抱えた子どもに対する教師のとまどいを明らかにするため面接およびアンケート調査を行った。その結果、教師は遺族の心情を理解することや、周囲の子どもへの指導について難しく感じていたことがわかった。研究2では、学校臨床に携わる専門家79名を対象としたデルファイ法による3回の調査を行った。第1回調査で合意の基準に達した項目は95.3%で、すべての項目が第3回調査までに合意の基準に達した。研究3では、小中学校教師322名を対象として、研究2の対応項目について自信があるかについて尋ねた。その結果、自信がないと答えた教師の割合が25%を超えたのは2項目であった。
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