研究課題/領域番号 |
23530854
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
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研究分担者 |
宮前 義和 香川大学, 教育学部, 准教授 (40325329)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ピア・サポート / ピア・メディエーション / ピア・チューター / 相互対照群モデル / 実践評価 |
研究概要 |
平成23年度は、ピア・チューター実践をたちあげるための共同体制作りと、実践で涵養することを目指す資質についての実践モデル図の検討を中心に行った。 まず、日本ピア・サポート学会に参加し、多様な実践を行っている実践者や研究者と交流し、次に、学校教育相談の卓越した実践者に会って指導を受けるため、ピア・チューター実践を共同構築する実践者とともに出張した。10月31日、11月21日・28日、12月6日・27日、1月5日・31日、2月7日・17日、3月26日・27日と計11回、寝屋川市立中学校1校及び小学校2校で授業見学等を行い、ピア・チューター実践の萌芽を見いだし、それを内容と学年の組み合わせで整理し(アソート)、なかでも、「仲間プリント」(クラス全員が仲間のための作問をし、全員で解くという実践)の手法について予備的な調査と結果の検討を行った。その結果は、平成24年度に学会で発表する予定である。 これで、ピア・サポート、ピア・メディエーション、ピア・チューターという3つの実践の試みが一つの地域でそろったため、翌年度からの実践評価に移ることができる。 また、現段階での成果としては、これまで実践支援をしてきた経緯もふまえ、日本のいじめとピア・サポート実践等に関するまとめを、オーストラリアで発刊された本の中に、分担執筆というかたちで紹介できた。現在、世界の予防教育と日本の予防教育について紹介と比較、そして展望を行う本を共同編集しており、その中においても、ピア・サポートの現状と課題について執筆し、平成24年度中の刊行を目指している。その際に、英国のピア・サポート実践者にも分担執筆を依頼し、その原稿も編集中である。さらに、旅費等は別の予算から支出したが、いじめ対策に関する国際学会での発表、フィンランドのいじめ予防プログラム実践校の見学等を行い、本研究の展開に資する情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ピア・チューター実践の導入に予想以上の労力がかかったが、現場に過度の負担をかけないかたちでの共同構築ができている。 ただし、鳥取や高知での実践の評価軸に関するインタビューを、新たにすることができなかったため、今までの資料を活用するとともに、平成24年度に繰り越すこととした。
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今後の研究の推進方策 |
鳥取県や高知県への出張が取りやめになったため、265,720円執行残となったが、これは平成24年度に出張を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に旅費として使用する。9月までに、高知県及び鳥取県にて、ピア・サポート実践を行っている学校で、評価軸に関するインタビュー調査を行うとともに、相互対照群モデルによる実践評価研究に関する了承をとりつける。 10月以降に、相互対照群モデルによる実践評価研究を行う。
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